1/8
Prologue―或る夜の出来事―
「出来た! ついに完成したぞ!」
男が叫ぶ。
「この世界の全てが変わる……私の手によって!」
仄暗い石造りの部屋の中で。
「人々の暮らしは変貌するのだ! ものの一瞬で!」
答えるものはいない。
足元には怪しげな紋章と、いかにもといった風の杖。
そして、男が掲げた右手には、一枚の黄ばんだ紙切れが握られていた。
「私は、これを……『魔法』と名付ける」
男の高笑いは、どこまでも闇に溶けて行った。
聖歴832年、六の月、新月の夜。
黒の歴史が、始まった。
魔法ファンタジーを書いてみたいと思っていたので。
超王道を突っ走る予定となっています。
次回から本格的なレイの旅が始まるらしいです。
遅筆&稚筆ながら精進していきたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致しまする。