14ページ 癒しの魔法 前
どうも、作者です。
とても遅れてしまいました。すみません。
では、相も変わらず短いですがどうぞ。
前回のお話~
修行をしたら、ユーイが怪我をしました。以上。
とりあえず、無事に部屋に戻ってきた。いや、無事でないけど。
「ただいまっと」
左手でドアを開けると、目の前でリフィスが床に座って何か描いていた。
見てみると、魔法陣らしい。でも、それ以外はさっぱりだった。
「おっ、帰ってきたか」
リフィスは小さな絵筆を置いて、顔を上げた。人懐っこそうな丸い青の目をぱちくりさせる。
「んで、どうだった?修行」
「ん、ぼちぼち……かな」
使い古しの剣をそこらにたてかけて、ベッドの端に座る。
ユルグも近くの椅子に飛び乗った。
「何はともあれ、修行は続けていくぞ。毎日一回ぐらいはな」
うわぁ……。自分で言い出したことだけどこれは酷い。
そりゃ上達はするだろうけれど、その前に体が持たないや。
少し間が空いてリフィスが、
「そうそう。もう夕食だってよ」
「えっ、じゃあはやく行かなきゃ」
特に準備するものもないので、二人と一緒に階下に降りて受付の部屋の右にある
食堂に向かった。
中は至ってシンプルで、長い木のテーブルが縦に3つならんでいて、赤レンガでつくられた
オープンな厨房からは良い匂いがする。
厨房に近いところに腰かけて辺りを見回すと、結構な人がいた。
大体は僕と同じ旅人さんで、後は町の人みたいだ。
程なくして、二人が夕食を持ってきてくれた。
「ほれ、持ってきたぞ」
「ん、ありがとう」
ということで、黙々と食べはじめる。……おお、おいしい。
※
「ごちそうさまっ」
いやぁ、久しぶりにまともな食事ができた気がする。
とても幸せだ。……肩は相変わらず痛いけど。
さて、片づけも終えると、時計は8の字を指していた。
「よし。さっさと部屋に戻ってゆっくり休もうぜ」
「ああ」「うん」
食堂から出ると、ユルグが何か言った。
「ま、頑張れよ」
……どういうことなんだろう?
聞こうと思ったらユルグはもう先に行ってしまった。
※
のんびりと時間は過ぎて……。
ふと時計を見ると、九の字を指していた。
「あれ、もう寝る時間かぁ……」
「明日も早いから仕方ないな」
そう言って最後に起きるのは結局リフィスなんだけどね。
まぁそれは置いておいて、僕はベッド、ユルグは椅子、リフィスは床で
寝ることになった。
さて、明かりを消してベッドの上で仰向けになる。肩はなんかもう痛みすら感じない。
……。
中々寝付けなくて、少し寝返りをうつと、急に痛みが戻ってきた。
「っ!?」
びきっと嫌な音がしたので慌てて飛び起きる。と同時に眠気も吹っ飛んでいた。
やっぱりこれはどうにかしないと……。
と、とりあえず外に出て夜風にあたろう。あれ、これって逆効果だっけ?
まぁ良いや。とにかく涼みたい。
と、いうことでユルグ達を起こさないようにそっと部屋を出た。
痛む右肩をおさえながら、丁寧にドアを閉める。
そんなとき、誰かから声を掛けられた。
「あの……こんばんは?」
小首を傾げながらたずねてきたその人は、いつぞや(という程でも無いかもしれない)
の女の子だった。
はい、ここまでです。
本当は二話分書くつもりが、思った以上に時間を削ってしまったので
前、ということに。申し訳ありません。
では