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11ページ アクシデント?

どうも、作者です。

では、どうぞ。

 前回のお話~

 明日に備えて休憩だっ!以上。




「ん……」


 うっすらと目が開いていく。ふぅ、良く寝たなぁ。

 僕は軽く伸びをして、テントの外に出た。

 

 辺りは霧がかかっていて、視界が悪かった。けど、こういう天気も悪くない。

 霧を見ながらぼうっとしていると、ユルグが後ろから来ていた。


「おはよう、ユルグ」


 ユルグはこくりと頷き、ふとこちらを見た。

 そしてすぐに視線を外し、リフィスを起こすと言ってテントに戻っていった。


「さて、僕も支度しないとね」


 朝の静けさをしばらく楽しんだのち、僕もテントへ向かった。


「お、早いな。ユーイ」


 テントの前で、リフィスが声をかけてくれた。こころなしか水晶がくすぶって見える。

 

「何か焦げてないかい?その角……じゃなくて水晶」


「さっきユルグに撃たれかけたんだよ。全く、起こし方が手荒で仕方ないな」


 リフィスがやれやれといった仕草でため息をついた。

 ひょっとしたら、二人は毎朝壮絶な戦いを繰り広げていたのかもしれない。


「お前がさっさと起きればいい話だ。ほら、荷物」


 リフィスの愚痴を聞いていたら、ユルグがやってきて僕にバッグを投げ渡してきた。

 それを何とか両手でキャッチし、バッグの中身を確認する。

 今まで使ってきた愛用の旅道具(主に父さんのおさがり)をチェックして最後に

 ボロボロの守護の剣を余った隙間に突っ込んだ。


 そしてベスト型の革の鎧を着込み、腰のベルトに鞘をさしこんでバッグを担ぎ

 いつもの格好になる。


「よし、準備オッケー。行こうか」


 テントを召喚術で戻し、川の水で水筒を補給していざ出発となった。

 日がちょっとずつ昇ってきたころだけど、まだ霧は晴れない。

 おそらく舗装されているであろう道を歩きながら、僕は素朴な疑問を思いついた。


「そういえば、何で西の国に行くの?」


 ユルグは周りを警戒していたので、代わりにリフィスが答えてくれた。


「んとな、あの国には変わり者の王様がいるんだ」


 ふむ……。でも王様と剣に関係は無いような。


「その王様は『彫刻』って仕事にはまっちゃってな。王様そっちのけでやってたら

 いつの間にか彫刻のプロになっちまったわけさ」


 彫刻……は確か魔法陣を彫るってことだったかな。


「……彫刻をすると、剣は直る?」


「いんや、でもまぁそうか。簡単に言うと魔法が使えるようになる。

 召喚術みたいに名称を呼ぶだけで使えるようになるぞ」


 なるほど。そういうことだったのか。

 守護の剣は僕にはまだよくわからないことが多いな。


 そんな事を考えていると、ふと横から黒い影がよぎった気がした。

 と、次の瞬間強い衝撃を受ける。


「うわっ」


 思わず尻もちをついてしまった。いたた……。

 ぶつけた箇所をさすって上を見上げると、黒い影は僕と同じ種族であることが

 なんとなく分かった。

 

「すみません!お怪我はないですか?」


 高くて、澄んだ声。女の子……?


「うん、大丈夫だけど」


 一応言葉を返して立ち上がる。ふと顔を見ると大きな緑の瞳と目が合った。


「良かった……。では、少し急いでいるので」


 女の子はぺこりとお辞儀をして、そのまま去ってしまった。

 表情は良く見えなかったけど、悪い人ではなさそうだ。


「どうしたんだ?ユーイ」


 後ろにいたリフィスがたずねてきた。


「ん、ちょっとぶつかっただけ」


「荷物は盗まれていないか?盗賊の可能性もある」


 今度はユルグに指摘された。多分大丈夫だとは思うけど、一応調べる。

 ……あ、あれ?


「……ない」


「は?」


「守護の剣がない」


 若干、ではなくかなり焦りながら一つのことを思いつく。


「まわり、そこら辺に落ちたままかもしれない!」


 いくら守護の剣といえども、今はただの棒きれ。盗むことなんてありえない。

 ということで、三人で手探りで探す。

 しばらくたち、どこからかリフィスが声を上げた。


「あ、あったぞ!……って、これ杖じゃねえか」


 杖……ね。

 もしかして、ぶつかったときにあの子が取り違えたのかな?


「しかも、結構高価なモンだぞ」


「……追いかけた方がいいな」


「うん、急ごう!」



 こうして、僕たち一行はちょっとしたアクシデントから面倒事に巻き込まれる

 ことになったそうな。

 


はい、出ました。ちらっと。

次回はおはなしの通りです。

ではっ。

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