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3.11の雑記

作者: ハインケル

 一年前の2011年3月11日のことを記そうと思う。

 自分が暮らしているのは福島から遠く離れた三重県だったが、やはりいろいろとあった。


 東京で行われる同人誌即売会、博霊神社例大祭を二日後の13日に控え、自分はその日の夕方から夜行バスで従兄弟とともに東京へ向かう予定であった。

 確か、あの日は友人四人と先輩二人とともに朝からカラオケに行っていた。空いていなかったが、空席が来るまで待った覚えがある。

 カラオケは確か十二時過ぎ前後から始まった。そして歌い続けて二時前後、突如僅かに身体が揺れ、グラスも妙に動いた気がした。

 が、気のせいだと思い、そのまま遊んだ。

 しばらくすると、満席になったために追い出され、近辺のゲームセンターへ向かった。そのまま遊んでいたのだが、ふと先輩の一人が携帯を見て言った。

「福島で地震あったんやって」

 そうなのか、と頷きつつフラフラしていた。

 しばらくして、母親からメールがあった。「地震でバスがキャンセルになりました」

 自分は驚愕し、驚いた。信じられないといった具合だった。

 五時過ぎに帰宅してようやく、地震の規模の大きさを知った。例大祭の公式サイトはまだロクに更新されていなかった。


 数日後、例大祭は延期とされた。中止だったら諦めもついたのに、と思った。五月の上旬だったと思う。それを引っ張ったのか、翌年の2012年も五月に執り行われることとなっている。

 また、地震の影響で自分の当時のバイト先だった焼き肉レストラン『オー〇ャ〇』をクビになった。理由は県外からの客が激減したからだという。元から県の交通会社とグルで稼いでいたのだから当たり前でもある。

 もとより、改装工事も行っていたため痛手だったのだろう。どちらにせよ、生活に支障の出ない学生からクビを切る結果となった。


 自分の身体に直接影響はなかったが、自分の周囲や環境、予定に影響が出た。


 今、思い返せば3.11は自分にとってそういったものでしかないが、社会的に見ればこの日を境として時代が遡ったとも言えるのか。一度、心が廃墟に戻ったのかもしれない。

 思えば、自分の生まれた199X年も阪神淡路から立ち直ってきたころだった。今は子供の彼らがティーンエイジャーになったとき、何が見えているのだろうか。もっとも、今はその歳まで生きるのが困難になってきているのも確かだろう。発展途上国の貧困とは別で、心の貧しさから赤子は死んでいるのだから。

 

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