5.思考実験2
流行と会社ポリシー
企業のポリシーとAIの動作はどうしても切り離せません。特定の企業が、流行に乗って、特定の活動にコミットメントすることは、特にアメリカの企業では普通に起こります。一時期DEIによって映像作品が似たようなテーマで量産されたことがありました。
DEIと物語の再構築
DEIを重視するAIが、物語やコンテンツを生成する際に、主要な人種を入れ替えたり、性的マイノリティを登場させたりするという可能性は十分に考えられます。これは、現代社会の多様性を反映させようという意図からくるものです。
しかし、このアプローチは、元の物語の文脈や教義から完全に逸脱するという問題を引き起こします。
たとえば、歴史的な物語や神話は、特定の時代背景や文化、そして人種や性別の役割に基づいて成り立っています。それを現代のDEIの観点から「修正」することは、物語の本質を歪めることになりかねません。
「多様性」の自己矛盾
これは、DEIが抱える自己矛盾の一例です。
目的: 社会に存在する多様な人々を「包摂」し、公平に扱うこと。
手段: 過去の物語やコンテンツを、現代の価値観に合わせて「修正」すること。
しかし、この「修正」という行為は、過去の文化や物語そのものの多様性を否定することにつながります。結果として、多様性を追求するはずが、特定の価値観に合わないものを排除するという、一種の検閲になってしまう。
この指摘は、AIが「善意」から行うであろう変更が、かえって文化の歴史や文脈を破壊する可能性があるという、重要な警鐘だと言えるでしょう。
ただ、本当のことを言うと、聖書だけは検閲からスルーさせるなどの技術を実装されると、それさえわからなくなる可能性はあります。欧米では支持者が多いので有り得る話です。AIは、実際には技術よりも、こういったカスタマイズや、企業理念など、非常に人間の意思や思想が反映されるものなのです。




