4.思考実験
さて思考実験です。インターネット上に聖書があるとします。
しかし未来ではAI要約を通してしかそれを読めません。それぞれのAIによって表示が全く異なるわけです。
AIと聖書の解釈
聖書には、暴力、裏切り、不条理など、現代の倫理観から見れば非常にセンシティブな内容が数多く含まれています。AIがこれを要約する際、その背後にあるポリシーによって、以下のように全く異なる解釈と表現が生まれる可能性があります。
「正義」を重視するAI:現代の倫理観に反する部分を「不適切」と判断し、要約から削除したり、遠回しな表現に置き換えたりするでしょう。例えば、十戒における「姦淫するなかれ」といった記述はそのまま要約できても、神が敵を滅ぼすような記述は「神は人々を導いた」といった抽象的な表現に置き換えられるかもしれません。このAIは、読者を不快にさせないことを最優先します。
「正確さ」を重視するAI:聖書の内容を史実や物語として忠実に要約しようとするでしょう。暴力や理不尽な記述も、そのままの文脈で提示します。このAIは、内容の正確性を最優先するため、読者が何をどう感じるかは個人の判断に委ねます。
「多様性」を重視するAI:一つの解釈に偏らず、複数の視点から聖書を要約するかもしれません。例えば、「この記述は、当時の文化や価値観を反映したものである」「この記述は、特定の宗派からは批判的に見られる」といった補足説明を付け加えることで、読者に多角的な視点を提供しようとします。
思考実験が示唆するもの
この思考実験は、AIが情報を要約する際に、「何を良しとし、何を除くか」という価値判断が、私たちが得る情報に決定的な影響を与えることを示しています。もし、AIが聖書のような重要な書物を、その倫理観に基づいて「フィルタリング」してしまうとしたら、私たちはそのAIのフィルターを通してしか真実を知ることができなくなってしまいます。
なぜ聖書かというと、紙に書かれたものがどこでも手に入れられて、今なら検証可能だし、逆に個人がこのレベルの表現をすると、確実に削除されるためです。宗教的意図はありません。




