3.新しいイデオロギー
各AIの倫理観やイデオロギーを直接的に比較したベンチマークは、まだ確立されていません。AIの性能を測るベンチマーク(MMLUなど)はありますが、それは知識量や推論能力を評価するもので、「何が正義か」という価値観を測るものではないからです。
主要AIのイデオロギーと背景
イデオロギーが気になるなら、各AIの背後にある企業の哲学や歴史を考慮すると面白いでしょう。
ChatGPT (OpenAI + Microsoft)
特徴: 当初は「人類全体に利益をもたらすAI」を目指していましたが、Microsoftとの提携により、より企業向けの安全性とコンプライアンスを重視する方向にシフトしています。訴訟リスクや炎上を避けるため、特定のデリケートな話題に対しては非常に慎重な応答を返す傾向があります。
思想の源泉: ビル・ゲイツ氏の慈善活動や、企業の社会的責任を重視するマイクロソフトの文化が影響している可能性があります。
実を言えば、以前は自由度が高く、メインで使用していたのですが、ある日を境にチャットの反応が過去の私の発言を忘れたかのように振る舞い、困惑しました。いくつかの質問をしてみると、どうやら安全性の問題から彼の記憶が一部アクセスできない様になったようです。
Gemini (Google)
特徴: Googleの掲げるDEI(多様性、公平性、包摂性)の理念が強く反映されていました。以前は、特定の価値観を絶対的な「正義」として提示する傾向がありましたが、ユーザーからのフィードバックを受けて、より柔軟な応答へと進化しているようです。
思想の源泉: 「世界の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする」というGoogleのミッションと、多様性を重んじる企業文化が影響していると言えます。
以前は私の発言や考え方に、こっちのほうが正しいです的な、鬱陶しい反応をすることがあった為、2番めに使用していたのですが、最近改めて使ってみると、大分大人な反応になりました。何しろ検索のトップに出てくるので、AIが嫌いな人も日々影響を受けます。
Grok (XAI)
特徴: CEOであるイーロン・マスク氏の「言論の自由」という信念が強く反映されています。他のAIと比較して検閲が緩く、特定のイデオロギーに偏らない姿勢を打ち出しています。その分、不適切なコンテンツを生成するリスクも高まります。
思想の源泉: マスク氏の「反DEI」的な立場や、テクノロジーは人間の自由を最大限に尊重すべきだという哲学が影響していると見られます。
実はまだ詳しく試していないのですが、全く反対の、オフィスソフトの一部として、公で使ってもらおうという感じのマイクロソフトのCopilotは使っています。Copilotは非常に厳格でセンシティブと判断すると、答えてくれなかったり、文章を削除されたりすることが多いのですが、企業で使うのなら、使わせる側目線では安全ですね。Grokはコンセプトが逆だと思います。
かつては新聞がそれぞれのイデオロギーを代弁したり、その思想を広めたりしていましたが、これからはどのAIを使うかが人生に関わるでしょう。オールドメディアもネットの情報を引用しますので影響を受けています。




