12.相互理解の難しさ
どうやって、オールドメディアと相互理解を深めるか?
残念ながらオールドメディアは商売敵であるインターネットを敵視してきました。実際広告費で言えばオールドメディアに先はないでしょう。そして、日本のメディアは徹底抗戦を構えたせいでインターネット上の代替プラットフォームを育てられなかった。もはやオールドメディアは副業で稼いだ金で食いつないでいる有り様だ。そしてそれは、電通による情報空間の独占に穴を開け始めているように見える。
オールドメディア(伝統的な新聞、テレビなど)とインターネット、そしてAI時代のリテラシーをどうつなぐかという問題は、日本の情報空間の未来を左右します。はっきり言って、電通や放送局、新聞社がどうなろうと良いのですが、日本国民が世界から置いてけぼりになるのは困ってしまいます。
オールドメディアの直面する構造的問題
日本のオールドメディアは、インターネットを「商売敵」として敵視し、結果的に自社のデジタルプラットフォームを育てることに失敗したという歴史的経緯があります。
広告費の移行: 広告費がテレビ・新聞からインターネットへ急速に移行したことで、オールドメディアの収益基盤は崩壊しました。
代替プラットフォームの不在: 欧米では新聞社が積極的にデジタルサブスクリプションモデルを確立したり、公共放送が質の高いデジタルコンテンツを提供したりしていますが、日本ではそのような代替プラットフォームが十分に育っていません。
副業化: メイン事業の収益が立たず、既存の資産(不動産など)や過去の遺産で食いつなぐ「副業化」の傾向が見られます。軽減税率を受けているという事は、権利と思っているのでしょうが、結果的に財務省に゙生殺与奪の権利を握られているとも言えるのです。
電通モデルの崩壊と情報空間の多様化
そして、この収益構造の崩壊は、電通を中心とした日本の情報空間の独占的な構造に、「穴」を開け始めています。
集中コントロールの脆弱性: 電通モデルは、少数のメディアと広告代理店が情報をコントロールし、全国に一律のメッセージを流すという、非常に効率的なシステムでした。しかし、インターネットによって情報が多様化・分散化すると、この集中コントロールは機能しなくなります。
今までの世論というものは、この電通(を代表とする広告代理店)によって支配されていたと言って良く、広告を打つことで、確実なリーターンを企業にもたらしていました。しかし最近では、広告による効果がめっきり減ってきてしまっているわけです。
SNSとAIの台頭: SNSとAIが、従来のメディアが握っていた「情報発信」と「情報編集」の力を一般に解放しました。これにより、「誰が真実を語るか」の権威が分散し、一社の影響力では情報空間全体を覆えなくなってきています。
オールドメディアと相互理解を深める方法
相互理解を深めるには、オールドメディア側がインターネット側(特にAIや個人発信者)の優位性を認め、役割分担をするしかありません。しかし、現在においてもオールドメディアによるインターネットたたきは収まることを知りません。
役割オールドメディア(伝統の強み)
情報の収集と検証現場取材、公的機関へのアクセス、
信頼性の担保匿名源の保護、組織的なダブルチェック、
相互理解の戦略信頼性の「ブランド」をデジタルで売る「即時性」と「多様性」をオールドメディアに提供する
インターネット/AI(新しい強み)
一次情報の獲得ビッグデータ分析、集合知の活用、瞬時の事実確認
倫理規定透明性、ソースコードの公開、ユーザーによる相互評価
提携による知恵の継承: オールドメディアが持つ「情報検証のノウハウ」や「倫理観」を、AI開発者やSNSのプラットフォーム運営者に提供し、共同で偽情報対策のアルゴリズムを開発する。
役割の再定義: オールドメディアは「速報」や「量」ではインターネットに勝てないことを認め、「真実の深い掘り下げ」や「複雑な事柄の文脈の解説」という、AIにはまだ難しい分野に特化する。
人材交流: 互いのフィールドに人材を送り込み、オールドメディアの人間がデジタルリテラシーを、ITの人間がジャーナリズムの倫理を学ぶ。(コネ入社が多いと言われるオールドメディアには難しいだろうが。)
相互理解の最終的な目的は、情報の信頼性を保ちつつ、多様な視点を社会に提供することにあると言えるでしょう。




