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始末書
会社早退しただけで始末書を書く羽目になった。朝礼で頭まで下げる羽目になった。意味が分からない。さっさと潰れてほしい。
今日は先輩がトイレでずっと石を吐いていたので背中を摩っておいた。先輩石食ったの? 鳩か?
社長主催の家族ぐるみパーティの雑用をやらされすぎて参っているのかもしれない。
唯一残っているまともな人間なので先輩には是非とも穏便に辞めてほしいところだが、実際のところ、正確に言えば全くまともではない人なので難しいだろうなと思っている。
恫喝と脅迫を本気で『自分のため』だと思ってしまうタイプの人なのだ。
そもそもが、先輩は恫喝と脅迫と束縛がないと行動が出来ない。何も言われなければ、二時間でも三時間でも部屋の隅でじっと立っている。
他人を憐れんでる暇もなければ立場にもないので言ったことはないが、まあ、可哀想な人である。
俺よりよっぽど優秀で、俺よりよっぽど優しくて、俺よりよっぽど恵まれているのに俺と同じ会社にいる時点でね。
帰り道、公園で砂食ってる先輩を見た。
ゾウかな?
いっそゾウだったら良かったかもね。