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XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日記  作者: 寝舟はやせ
日記
33/97

生首


 冷蔵庫を開けたら生首がいた。

 笑顔である。寒いのにご機嫌なことだな、と思っていたら死の勧誘が始まった。


 生首曰く、死とはとても良いもののようである。

 一瞬の苦しみを乗り越えれば、あとは何一つ苦痛のない、穏やかで澄んだ世界に居られるんだそうだ。


 確かにね。

 苦痛が思考と記憶によって生まれているなら、これほどに最適な方法はない。

 全ての悩みって対人関係で生じてるらしいしね。

 全部を消せる訳だからね。

 そこにあるのってやっぱり幸福なんだろうね。


 幸福なお前は人んちの冷蔵庫で何をしてるんだろうね。


 幸福って冷蔵庫にあったんだな。

 つまりは青い鳥みたいなもんかもしれない。




 三日後。


 やや腐臭を発し始めた生首の声は、徐々に焦りを帯びていた。

 熱心に死の勧誘をしている。

 ご苦労なことである。


 幸福に近づいているんだからもっと喜べばいいのに。






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