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ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第一部

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 縄がほどけて自由になったザムさんは、よろよろと立ち上がる。……うん、なんとか歩けそうな様子。走るのとかは難しそうだけど。

 ザムさん一人でも歩けるのは非常に助かる。……なにせ、わたしは一人でこの倒れている男性を運ばないといけないので。


 ここまでしてくれたアビィさんに、これ以上なにか言うのはためらわれた。エーリングさんだったら問答無用で働かせそうな気もするけど、わたしは彼女のことをほとんど知らないし、仲良くなければ信頼関係もほぼない。見捨てないでと縋り付いて、ようやく話を聞いてくれるようなものだ。


 わたしは駄目元で倒れている男性を揺さぶってみた。……全然起きない。

 生きてるか不安になって、脈と息を確認したけど、そこは流石に大丈夫だった。死体ではないので一安心。

 しかし、結構乱暴に揺さぶっても起きない、というところを見ると、ただ寝ているだけではない、のかな? この人が単に寝起きが悪い、という可能性も、なくはないけども。


 持ち上げるのは到底不可能なので、もう引きずるしかないのだが……人を引きずって階段って上ることできるもんなの? やったことがないから分からないけど、足をもって引きずるのではなく、上半身を抱えるようにして引きずればセーフなのかな。


 アビィさんと、彼女のそばに留まってもらったシャンシャットちゃんと合流したいんだけどな。アビィさんがシャンシャットちゃんを連れてこっちに来てくれたら助かるけど、絶対そんなことはしてくれない。


「――……ごめんなさい」


 わたしは意識のない男性に謝まる。悪いとは思うけど……無理なものは無理だもん。足が階段にガンガン当たると思うけど、許してね。

 男性を起き上がらせ、背後からわきの下へと腕を通し、ほとんど後ろから抱き着くような形になる。意識のない人間を運ぶ方法としては最悪もいいところだけど、これしか方法がない。


 今しがた、拘束から解放された、殴られた跡の目立つザムさんに頼ることはできないし、アルベアちゃんに頼んでも、多分、服の襟首あたりを噛んで引きずるスタイルだろうから、わたしと大差ないから無意味。縄があれば胴体にくくることも考えたけど、つき先ほどまでザムさんを縛っていた縄は、細かく切り裂かれているので使い物にならないので。

 覚悟していたよりは軽いのが、不幸中の幸いとしか言えない。多分、身長の割に肉が付いていない人なんだと思う。


 それでも重いし、なんなら足首の痛みが増えてきたし、最悪だ、と思いながらも、わたしは半泣きで階段を登り切った。

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