41
ザムさんを探しに行く、と決まって、すぐにでもと、先ほどイベリスさんと行った酒場へと向かうことになった。ちなみにショドーとひいさまは連れていくか迷ったけれど、ヴォジアさんに頼み込んで宿で留守番させて貰うことに。めちゃくちゃ嫌そうな顔をしていたけれど、最終的には引き受けてもらえた。……この一件が終わってから、新しい仕事を探す前にヴォジアさんにお礼とお詫びをした方が良さそうだな。
「……なんだか、あんな凄い物を持っているなんて、エーリングさんは凄い……凄い人なんですね」
わたしの国では魔物討伐をする人を狩者と呼ぶけれど、この国では国家資格じゃないみたいだし、なんでいうのか分からず、適当に呼び名を誤魔化す。
わたしに凄いと言われた女性――エーリングさんは、からからと笑った。
「売れば馬鹿みたいな値段になるって話なだけだ。あれはアビィが作った奴でな、材料費だけ考えりゃそこまでの値段でもない」
「あいつ、うるさそうだから黙っておけよ」と言うエーリングさんは非常に悪い顔をしていた。
売ればお城が買えるくらいの値段だというのに、材料費はそこまででもない、ってどういうことなんだろう……。技術的な問題なのかな、と思いながら、わたしは実家の屋敷を思い出していた。城が買える、って言うくらいなんだから、多分、あの屋敷、買えちゃうのかも。
「あれは私がぐーたら生活するために作ったやつなのに……師匠に見つかったばっかりに……」
不満そうに愚痴をこぼすのは、エーリングさんと共にやってきた女の子――アビィさんだ。彼女たちの事情は分からないが、エーリングさんの方が完全に立場が上らしい。また拳骨を一つ、落とされていた。
「――あ、ここです」
話ながら歩いていると、あっという間に酒場へとつく。小走りで後を追うよりも、会話をしながら歩いている方のが早く着いたような気分になる不思議。
「ン、よし。アタシが中で受注してくっから、お前はここで待ってな」
ちら、とエーリングさんは、わたしの傍にいたアルベアちゃんの方を見る。あんまり連れまわさない方がいい、という判断なのかもしれない。まあ、ただでさえアルベアちゃん、結構サイズあるもんね。
「アビィはどうする?」
「勿論待ってます」
そう言いながら、アビィさんは実に滑らかな動きで地面へと腰を下ろした。余りにも綺麗過ぎて二度見してしまう。
もう動かんぞ、と言わんばかりのアビィさんの表情を見て、エーリングさんは呆れたように、短く溜息を吐いた。




