山での攻防 後編 20
そこから、魔法使いの気弱そうな少年が姿を現した。恐る恐ると此方の側までやってきた。
どうやら先程の炎は、少年の仕業のようだった。
俺は思わず質問する。
「…お前、来ていたのか?」
「はい。…あの後に、テッドさん達と合流しまして、…つ、付いてきてしまいました。」
少年もたどたどしく答えてきた。
俺は納得して頷くと、少年の側で膝まづきながら、目線の高さを合わせて御礼を言う。
「そうか。…えっと、ありがとな。…お前の魔法で助かったよ。…なかったら、ヤバかったわ。」
「い、いえ。…お役に立てたなら、…」
それを少年は聞くと、頬を紅く染めてしまい、俯きながら頭を掻く仕草をしている。恥ずかしいの誤魔化すようだった。ついでに上目遣いで此方の様子を伺っている。
「ヒルフェ君こそ、大丈夫かい?」
今度はテッドが此方に寄ってきて、質問してくる。さらに俺の腕や肩を触診しており、怪我がないか確認をしてきた。
「あぁ、…なんともないぞ。」
と俺も投げやり気味に答えた。なんとなく恥ずかしかった。
「そうか、…無事ならいいんだ。…君にも感謝してもしきれない。…あのボアと渡り合えて、死なずにすんだのだから。…君はなんて凄いんだ。」
テッドも気が済むまで確認したら、ようやく安堵しており、
「あぁ、…もしかしたら私達だけでは、どうなっていた事か。…なぁ、ノイマン?」
と振り向き様に、隣のノイマンにも返事を求めていた。
しかし、ノイマンは無言のまま、少し俯いているようだった。




