山での攻防 後編 17
「ヒルフェくん!…大丈夫かい、…えぇ?!!」
「ボアの方が倒れていやがる!?…こいつ、ボア以上の化け物じゃねぇの?」
と背後の森から、人の気配がする。
俺は気がつき、後ろを振り返った。
すると薮の中から、ノイマンとテッドが姿を現した。さらに此方へと近づいてきた。
彼等も後を追いかけてきたようだ。
二人とも身体に包帯が巻かれて、治療を施されている。
俺は安堵の溜め息を吐いた。
やがてテッドやノイマンは、近くまでやってくる。
ノイマンが辿り着くと、目を見開いていた。
「し、しかし。…チャンスだ。…このまま皆で動きを封じよう。」
とテッドも即座に指示をする。
それから全員で、ボアの周りを取り囲んでいく。三方向から、狙いを定めている。
ちなみに奴の正面に俺がいる。
左にはノイマンがおり、右にテッドがいる配置である。
ボアは未だに暴れており、起き上がろうと躍起になっていた。
まず先んじて、ノイマンが大剣で斬りかかった。
ボアは身体に攻撃を受けると、怒りで周囲に吠えて威嚇してくる。
魔物の視線が外れた瞬間に、テッドは沼の泥を巻きこみながら地面を蹴り上げた。
ボアの片目に泥が掛かり、大声を上げて余計に暴れ回る。
「よし、視界を潰したぞ!!」とテッドが喜んでいた。
「…この、大人しくしやがれ!!」
ノイマンも大剣を振り上げながら、勢いよく迫っていく。




