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山での攻防 後編 16

 そうして俺とボアは追いかけっこを続いていく。

 その最中に俺は微かな変化に気がついた。

 よく見ればボアの様子が変だ。走る動きが鈍くて、ぎこちない。荒々しい動きが今までと比べてガタガタと揺れており、歩幅が安定せずに進むのも苦労しているようである。

 鳴き声もコヒュー、コヒュー、と雑音がする。

 端から見れば、もう体力の限界が近いみたいだ。

 まだまだ俺は元気であり、足取りは未だに軽いようだ。さらには、

 (どうやら、間違いない。…俺のスキルは、疲れないんだ。…)

 と、己の身に起きた事実を確信する。

 その直後にボアが咆哮をあげた。

 ほぼやけくそ気味のようである。

 俺は頃合いを見計らうと、次の行動に移る。すぐさま立ち止まり、姿勢を低くしながら迎え撃つ。

 ボアも勢い任せにやってきた。

 互いが衝突する距離になった。

 直前に俺は跳躍すると、相手の顔面を踏み台にして、より高く飛んで、魔物よりも後の方へと降り立ちながら振り返る。

 逆にボアは体勢を維持出来ずに、沼の中へと膝から崩れ落ちていた。横たわる体勢から、立ち上がろうとして、もがきながら暴れているのだった。

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