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山での攻防 後編 14
「ゴホ!?…ガハ!!」
俺は盛大に咳き込んだ。泥が口に入ってきて、久しぶりに土の味が不快である。慌てて上半身を起こし、顔の泥を袖で拭うも、強く擦っても落ちない。
次第に心の中は焦りと不安が渦巻く。ずっと目の前が真っ暗で、今の状態は非常に危険である。
なんとか俺は両目の違和感を取り除くと、
「あぁ、くそ!?…やっと取れた。…死ぬかと思ったぞ。」
と、すぐさま目を開けて、周囲を見渡す。
まず視界一杯に雲一つない青空が見た。綺麗だった。
ようやく俺は落ち着きを取り戻すと、深く呼吸し、意識を冷静に保つ。
すると背後から、再びボアの鳴き声がしてきた。
俺が振り向くと、ーー
「グオォォォォ!!」
と目の前にボアの鋭い牙があった。
もはや、当たる寸前だった。




