山での攻防 後編 13
やがて辺りの様子が変わってくる。
森の奥では、木々には蔦が巻き付きだし、より鬱蒼と緑が生い茂っている。
木々の間を通り抜けていき、次々と景色が後に過ぎ去っていく。
暫くして、ようやく森を抜け出した。
「此処か?!」
と俺は呟き、辺りを見渡す。同時に足元の感触が変わるのを感じた。強く踏み込むと泥濘に足を取られ、縺れて転びそうになるも、踏ん張って持ちこたえた。
此処等一帯は、広い沼地となっていた。あまり深くはなく、人間の膝の下までしか沈まないようだ。
周囲には背の高い水草が生えており、伸びきっていた。殆ど人の手が入っていない未開拓の地である。
ようやく目的の場所に辿りついたのだった。
そのまま俺は沼地の中を走り続ける。奥へ行くに比例して、より一層に水気が増えており、ゆっくりと進んでいくしかない。
「グォォ!!」
すると次の瞬間には、大きな咆哮が轟く。
俺が後ろを振り返り、即座に身構えると、強い衝撃を受けて、沼地の中に仰向けで倒れてしまう。
背後からボアの巨体が迫ってきたのだった。此方の真横のギリギリの位置を通り過ぎていく。
その結果、大量の泥水が勢い良く飛び散り、此方の顔や身体にかかったのだった。




