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山での攻防 後編 10

 「ヒルフェ君。…助けてくれたのは感謝しているよ。…でも抑えてくれ。…ノイマンも、今は言い争っている場合じゃない。」

 そう言われて俺は舌打ちしながらも、指示に従う。

 「っち。…確かにな。」

 「…えぇい、今は突っかかるのは、止めだ。」

 ノイマンも渋々と、意見に同意していた。

 ただ互いに一切、目を合わせない。

 テッドは苦笑いをするも、この場を取り纏めだし、話を振ってきた。

 「とにかく今は、助かる事が先決だ。…何か方法は無いかな?」

 そうして全員で頭を悩ませだした。各々で打開策を考えているようだ。

 しかし、すぐには意見は出てこない。

 とりあえず俺は、率直に思った事を口にした。

 「そうだな。…もう頭にきてんだ。…さっさとボア倒しちまおうぜ。」

 「えぇ!?」

 とテッドは驚愕し、変顔を晒している。信じられないと言わんばかりと体現していた。

 ノイマンも頭ごなしに怒鳴つけてきた。

 「…何を言ってんだよ。…出来る訳ないだろうが!!…馬鹿だろ!」

 「あぁ?!…んだと、コラ!!」

 俺も負けじと言い返す。

 また言い争いに発展していた。

 「…誰が馬鹿だ!…脳筋みたいな奴にだけは言われたくない。」「馬鹿を馬鹿と言って何が悪い…だいたい魔物とやりあえるのかよ!…」「…知るか!!…此方は魔物と初戦闘だ!!…わかんねぇよ!!」「はぁ?!…なんだと、ズブの素人じゃねぇか!」「悪いか!?」「偉そうに言っといて…お前、何しに来たんだ!?」「…殆どは、お前と支部長のせいだわ!」

 全く話は一向に進まない。

 こんな事してる場合ではない、と俺は頭を振り、冷静になる様に努めていた。

 ふと視界の端に、テッドの様子が目に映る。

 彼はハッとした表情となり、独り言を呟いていた。

 「いや、…ヒルフェ君が殴った時は、ボアも痛がっていた。だから普通に攻撃は効くんだ。只の魔物と変わらないのかも。…なら疲弊させる事が出来れば、倒すか、或いは逃げれるかもしれない。」

 「おい、…そんな上手くいく訳ないだろう!」

 すかさずノイマンが指摘する。

 「…ボアは持久力だけは並外れてんだ!!…あんなのは、もはや桁違いだ。…こっちの体力が持つ奴がいねぇよ。」

 だがテッドも意見を述べ続けている。

 「…避けながら攻撃を当て続ければ、なんとかないかな?」

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