山での攻防 後編 9
そのままボアだけが通りすぎて行く。勢いに任せて、止まらずに遠退いてしまう。
ドカン!
続けざまに、大きな衝撃も響いてきた。さらに木々が割れて倒れ、幹が倒れる音もしてくる。
またボアは、何処かにぶつかったようである。
運良く事が運んだのは、幸いだった。
「…危なかったな。」
と俺は額の汗を袖で拭い、一息をつく。
やや遅れてテッドも、此方に顔を向けてきていた。
「じゃ、ねぇだろう!!…痛てぇだろうが!」
ついでにノイマンも腹を押さえながら、文句を言っている。未だに痺れて震える手足で、無理矢理に身体を起こしていた。
どうにも滑稽な姿で、迫力に欠けている。
俺は投げやりに、軽く謝った。
「あぁ、すまん。…お前、重そうだから。…時間なかったし、…。」
「もっと、他に方法があるだろうが!!」
「うるせぇな。…助けてやってんのに、文句が多いんだよ。」
「ぐぬぬ。……」
だがノイマンは、納得出来ないようだ。さらに文句を続けて言う。
「ふざけやがって、やっぱりムカつく奴だな!」
「あぁ、やんのか?」
すぐに俺も言い返した。
それから互いに睨み付け合い、一触即発の空気を漂わす。今にもどちらかの手が出そうだった。
テッドが見かねて、慌て止めに入ってくる。




