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山での攻防 後編 7


 ※※※


 「あの?…ヒルフェさん?」

 と気弱な少年の呼ぶ声がする。

 俺も我に返り、頭がハッキリとする。さらに、

 「あぁ、そうか。…だから試験の前にノイマンに突っかかって。…自分らしくもなくリキッドの、いやじいさんの事を気にしたのか。」

 と囁く声で呟きながら、一人で納得していた。今は全身の毛穴が開き、感情が高ぶって身震いしており、力で手の震えが押さえられなかった。

 「えっと、」

 隣で気弱な少年が戸惑っているようだ。

 すぐに俺は目が合わせると、

 「行ってくる。…お前は此処に居ろ。」

 とだけ言い残して、全速力で駆け出した。

 真っ直ぐに前へと突き進み、だんだん走る速度を上げていく。

 目の前にはボアがいた。再びテッドに向かって突進していく。

 ノイマンも立ち上がろうとしているも、助けには間に合わない。

 もうボアは間近にまで迫ってきていた。

 しかし、それより先に俺は地面を蹴って飛び出し、勢いのまま飛び蹴りを放つ。見事に魔物の目に命中した。

 するとボアの身体がよろめくと、進行方向がズレていく。

 そのままボアは、テッドやノイマンの真横を通過した。最終的に近場の樹木にぶつかると、痛みに身悶えながら、地面をのたうち回っていた。

 その様子にテッドとノイマンは、両目を見開いて驚いていた。

 俺は着地する。彼等の目の前に降り立つと、

 「おぉ、体重かけて思いっきり行ったら、軌道がズレたな。」

 と呟きながら、利き手の右腕を前後に動かし、拳を開いては閉じてみる。素手でも急所を狙えば、ある程度は戦えそうだと、確信してほくそ笑んでいる。

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