間章 合間の出来事 2
すぐさまテッドは側まで行くと、バンダナの男の身体を背負いだす。
「はぁ!?…まさか、こんな間抜けを助ける為に、戻って来たってのか?」
「アンタ!!…何を考えているのよ!?」
すると後ろの冒険者達は、合流した途端に口々に文句を言ってきた。
「さっきはゴタゴタで、彼を置いて慌てて逃げてしまった。でも置いてけぼりには出来ないだろう。」
とテッドは主張する。真剣に真面目な表情で訴えていた。
「馬鹿が!只でさえヤバい状況なんだぞ!…足手まといは、無視すればいいだろうが!」
しかし、ノイマンがより怒りを露にしだし、大声で怒鳴りつけてくる。さらに唾が掛かかる距離まで詰め寄ると、顔を近づけてきた。殆ど恫喝している勢いである。
「テメェ!…嘗めてんのか?…あぁ?!」
もはや鼓膜が破れんばかりの声量である。
それにテッドも対抗して、より大きな声で反論しだした。
「だからこそ、見捨てて行ける訳ないよ!!」
「ふざけてる場合か!!」
「ふざけてるのは、どっちだ!!」
やがて二人の口論は白熱してしまう。今までで最も大きな怒声と迫力である。
(嘘、…普段は温厚な方のテッドなのに、凄い勢いで怒っているわ。)
と美女は目を見開きながら、目の前の様子に驚きを隠せない。
「うぅ、…」
とノイマンも、次第に相手の迫力に気圧されだした。すぐに反論しようと考え込むも、言い返す言葉が見つからない。
辺りも険悪な雰囲気の中、静まり返える。
テッドは深く溜め息を吐くと、またノイマンを鋭く睨みつけだし、ゆっくりと冷静な口調で語りかける。
「人が人として、誰かを助けようとする行動の何が悪いんだ。…皆同じ命なんだよ!」
「……。」
「…いつも君は脅すみたいに言っているよな。…そうすれば思い通りになるだろう。…でも、そんな傲慢な態度だから、周りに敵を作るし、今回だってフォン支部長に睨まれたんだぞ!!」
「くっ、!?………」
ノイマンはたじろぎつつも、話を黙って聞いている。歯を食い縛りながら、表情が苦虫を噛み潰した様に変わっていく。なんとなく思うところがあるようだ。
すると彼の肩に、テッドが徐に手を置いた。




