山での攻防 6
残りのゴブリン達は怯みだした。攻撃を戸惑い、躊躇しているようだ。
目の前で仲間が倒されたのを切っ掛けに、怯える個体もいる。
すかさずバンダナ男やノイマンが同時に飛び出し、自らの武器で切りかかった。
断末魔の叫びが挙がり、さらに二匹のゴブリンが地面に倒れる。
瞬く間の出来事である。
その光景を俺は見ていたら、思わず凄いと感じてしまう。
「残りは、どうした!!」
と意気揚々にバンダナ男が叫び、辺りを振り返る。
他の冒険者も周りを見渡しだす。
「グギャアァァ!!」
すると生き残りの一匹に、美女が止めを指していた。
彼女はゴブリンの上に馬乗りになっていて、突き刺した短剣を引き抜いていた。
残すは後一匹である。
しかし突然、「ま、待て!?!」と、細身の男の叫び声がしていた。
俺達は一斉に振り返る。
その直後に彼の側から、最後のゴブリンが走って逃げていく。腕から血を流しており、必死そうにしており、瞬く間に藪を通って、森の奥へと姿を消した。
慌ててテッドが駆け出すも、もう追いつけないようだった。
「てめえ、何やってやがる!!」
とノイマンは激怒しだした。すぐに細身の男の側に行くと胸ぐらを掴み、反対の拳で殴りかかろうとしている。
細身の男も小さな悲鳴をあげ、怯えながら許しをこうた
「す、すいません。アニキ?!」
「魔物を手負いで逃がしやがって、大変な事になるぞ!!」
「ヒィィ!?」
「…このドジ、間抜け!!」
それでもノイマンは、罵り続けている。
テッドが見かねて、間に割って入り宥めだした。
「落ち着くんだ、ノイマン。…もういいよ、別に狙いの魔物じゃないし、一匹だけ逃げたって。」
さらに美女も加勢し、注意をする。
「アンタさぁ。…真面目な話、いい加減にしなさいよ。」
だがノイマンは、思いもよらない反論をしてきた。




