山での攻防 4
「このペンダントには、身につけた人達の間で、相手の居場所や様子が解る魔術が施されているんだ。…戦う事が出来ない職員達は、これ以上は先に行けないから、僕らの様子を見る為に必要なんだよ。」
「ふ~ん。」
俺は納得し、相づちを打った。
それから冒険者達は指示通りに、ペンダントを身に付けだした。
同じくギルドの職員も準備をする。
それに習って、俺もペンダントを装着したのだった。
「…それでは、…皆さんの御武運を。…これより試験開始!」
やがて、ギルドの職員が合図する。
「オラ!…行くぜ!」
とバンダナの男が先陣を切って、真っ先に歩いていった。
続いて、美女、気弱そうな少年、が後を追いかける。
ノイマンや細身の男も、ゆっくりと進みだす。
やや遅れて好青年も走り出すと、すぐに追いつく。
最後に、俺が歩きだすのだった。
そのままの状態で、山林の中を奥へと目指していく。全員が付かず離れずの距離を保っている。
「えっと、私はテッドです。…どうぞ宜しく。」
ふと前から好青年、ーテッドが声をかけ、名乗ってきた。
「……ヒルフェだ。」
と、すぐに俺も応じた。なんとなく、そうした方が良いと思ったからである。
それ以上は何もないまま、互いに沈黙してしまう。
なんとも気まずい空気が漂う。
俺は堪らず、視線を明後日の方に向けた。よく見れば辺りの景色が変わってきたようだった。
随分と森の奥まで来たようである。木々は枝葉が立派になり、緑が深くなっている。
さらに奥に進むに比例して、先を行く冒険者達も、次第に緊張感を漂わせているみたいだった。




