ギルドとスキルと勝負 16
暫く、同じ状態が続いた。
「はい、そこまで。」
だが途中で、ダフネが此方の手を掴んで制止してきた。
「ん?」
ようやくして、俺も食事を止める。
「ヒルフェくん?…大丈夫なのか?!」
やや遅れて、リキッドが不安げな様子で問いただす。
俺は訳が解らず、首を傾げてしまう。
ダフネが此方の様子に気がつき、空いた片手で鍋を持ち上げながら中を見せてくる。
鍋の中は殆ど空っぽになっていた。先程までは液体が縁のギリギリまで満たされていた筈だった。
しかし、今は底が見えている状態だ。
「な?!」
俺は驚いて両目を見開く。さらに恐る恐る自分の身体の様子を伺う。
すると自分の腹は、はち切れそうに膨れていた。今にも洋服のボタンが取れそうだ。
隣でリキッドも、取り乱していた。
「どうなっているんだ?!…医者か?!…それとも!?」
「…やはり、間違いなさそうですね。」
突然、ダフネが冷静に此方を観察しながら、考え込む様な仕草で独り言を呟く。一人だけ何かを察しているようだ。
「何?…ヒルフェ君は、どうしたの?」
とリキッドは必死な表情で聞き返す。
ダフネは、真剣な顔で答えだした。
「ヒルフェ様は、スキルを会得しているようです。」
「「はいぃ?!……」」
次の瞬間、俺とリキッドは間抜けな声を漏らした。
さらに部屋の中に、静けさが増す。
少しして、リキッドがいち早く我に返ると、ダフネの側に寄っていき、互いに顔を見合わせながら囁く様に会話しだす。
「事実なのか?」
「はい。…ギルド内での様子から、スキル保持者と同じ様な違和感がありました。…身体に何らかの作用を及ぼす類いのスキルだと思います。」
「そうだったのか、…もっと早く言ってよ。」
「申し訳ありません。…先程まではスキルの効果までは確証がなかったので、何が起きているのか解らなかったんです。…食事中のの様子から推察して、結論づけました。」
「…なら早く止めてよ。…凄く心配したんだから。…君も胃がどうのって言ってなかった?」
「気のせいです。」
「え?…そうだっけ?…」
その様子を、俺も側で盗み見ながら聞き耳を立てていた。目の前の頭の悪いやり取りに、怒りが沸いてきていた。やがて痺れを切らすと、大声で文句を言う。




