ギルドとスキルと勝負 9
「何事じゃい。…」
と人だかりをかき分けて、一人の老人が姿を現した。白髪と白髭を蓄えた皺だらけの顔が特徴的で、ヨボヨボとした枯れ木の様な人である。曲がった腰で杖付きながら歩いており、ゆっくりと側に近づいてきた。
周りで誰かの声がする。老人を「フォン支部長だ。」と呼んでいる。
「またお前か、…ノイマンよ。いつも問題を起こしおって。」
その老人、ーーフォン支部長は溜め息を吐きながらノイマン達の前に辿り着く。さらに鋭い視線を浴びせつつ、文句を呟く。
ちょうどノイマンも床から上半身を起こしながら、言い訳を始めた。
「俺だけじゃねぇ!…今回はこの野郎もだぞ。」
「そ、そうっすよ。…俺等が悪いわけじゃない。」
ついでに、細身の男も弁明していた。
「ド阿呆!!…また喧嘩でも吹っ掛けたのが原因じゃろうが!」
しかし、すぐにフォン支部長は指摘を返した。まるで見ていたかの様な、的確な内容だ。
すると途端に、ノイマン達の顔が歪む。先程までの剣幕は徐々に失くなり、大人しくなった。
「それで、…お前も暴れていた大馬鹿か?」
そしてフォン支部長は、今度は此方の方に振り返ってくると、強めの口調で問いただしてくる。
俺も鼻を鳴らすと、ふてぶてしく視線を反らしながら答えた。
「誰が大馬鹿だ。…ジジイ。」
「見かけん顔じゃな。…何処から来た?」
「…関係ないだろう。」
「なんじゃとぉ!!…これだけ騒いでおいて関係ないとは、…余程ちゃんとした教育がされてないんじゃな。」
とフォン支部長は、余計に怒りを露にし、より目付きを鋭くする。
俺も負けじと、言い返していた。




