ギルドとスキルと勝負 6
俺とダフネは、反射的に顔を振り向かせると、ーー
その先には、二人の男がいた。だいたい年齢は二十代程である。
一人は刀を背負った坊主頭の逞しい大男。
もう一人は小柄で細身の男。
彼らは共に柄の悪そうな奴等で、此方を見下ろす様に立っていた。
「おい、てめぇ等。…その席は、おいらの特等席だ。…何を勝手に座っていやがる。」
と大男は怒りと苛立ちを含む声で、此方を呼びつけると、文句を言ってきた。
「そうっすよ。…ノイマンの兄貴の邪魔だから、さっさと退きな。」
さらに小柄な細身の男も、同じく難癖をつけてきた。
真っ先に俺は、心底呆れてしまい、深いため息を吐くと、「あっそ、…。」と投げやりに返事をした。奴隷時代から同じ展開をされ続けていたから、もう辟易としているのだ。
「このやろう!」
すると大男、ーーノイマンは明らかにムカついたようである。すかさず此方の胸ぐらを掴んできて、頭上より上まで持ち上げてくる。
対して俺は、首が締まってしまい、踠いて苦しそうにするも、負けじと相手を睨み付けていた。だが突然の事に、額のハンカチが床に落ちてしまった。
「お前、おいらと、やり合おうとしてるのか?」
「止めとけっすよ。…兄貴は、この辺りでも名の知れた冒険者ランクCの実力者なんすよ。」
「そうだ。…怪我する前に、大人しくしときな。」
それからノイマン達は鼻を鳴らして嘲笑いながら、喋りかけてくる。
ついでに細身の男の足元に落ちていたハンカチを、無惨にも踏みつけていたのだった。
「でも、先に手を出したのはアンタだよな。」
と俺は小さく呟くや否や、間髪いれずに動き出すと、ノイマンの顎を思いっきり蹴りあげた。
次の瞬間に、相手はひしゃげた声を挙げて手を離し、後ろへ吹き飛びながら仰向けに倒れた。




