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ギルドとスキルと勝負 5
さらに俺はある可能性が脳裏を過ると、思わず口に出していた。
「まさか、あのジジイ。…打算とか何もなく、ただの償いで家の借金を肩代わりしたっていうのか?」
「…でしょうね。…そんな考えが回るなら最初から、今回とは違った結果になってますよ。」
間髪いれずに、ダフネも答えてくる。先程までと変わらぬ態度で、少しだけ肩を竦めていた。
「…今さら言って、信じてもらえるかは、分かりません。…けど、あの人はバカだから直球勝負しかできないんですよ。…」
「…あんた。…それを俺に言い聞かせるために、わざわざ来たのか?」
と、俺は顔を反らしながら、再び問いただす。彼女の話を聞いても、十分に納得しているつもりだ。ただ自分の行いを見つめ直すと、なんとなく気まずくなるのを感じていた。
「まさか、…面倒くさいわ。」
しかし、 今度はダフネからは、曖昧な返事だけが返された。
「お、おい!…あれ!」
その時、周囲の他の客達も騒ぎだす。やや狼狽えている様子である。
次第に彼らのざわめきが強くなった。
同時に、此方の方へと誰かが近づく気配を感じた。




