二章 ギルドとスキルと勝負
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あれから俺は、宿場町の大通りを練り歩く。
とにかく街から早く離れようとしている。未だに外に出る道を探しており、遠くに坑山のある山を目印にしながら、反対方向を目指して進んでいた。
しかし、行けども行けども景色が変わらず、同じ様な建物が並んでいるようだった。
俺はたまらず、別の道の方へと行き先を変えた。だが結局は同じ様に歩き回っており、徐々に今いる場所が分からなくなってしまう。
長い時間が経過してしまった。既に太陽は頭上高くまで昇っており、強い光で容赦なく辺りを照りつけてくる。
「………ひょっとして、迷った?」
と俺は呟きながら立ち止まると、思わず座り込んでいた。
じんわりと額から頬に汗が伝う。すぐに服の袖口で拭うと、なんだか顔が熱っぽくて頭痛がしてきそうだ。さらには、段々と心の中で不安と混乱が渦巻きだしており、
(…………不味いな。…なんとかしないと。)
と必要に駆られ、すぐに周囲を見渡しては状況を確認しながら考えを巡らせだした。個人的には道を覚えるのには自信があった。だが、高を括っていたようで、己の浅はかさに嫌気がさす。
奴隷の頃に、坑道の中では監視員達から逃げる際に、一度も道を間違えた記憶はなかった。今にして思えば、道は全て繋がっており、迷いようがない。
ふと周りから不穏な様子を感じた。
すると同じ道にいる通行人達の視線だった。誰も彼もが此方を訝しげに様子を伺うと、そそくさと早足で去っていき、声をかけようともしないようだ。
しかし、その時に視界の端から、女が近づいきた。さらには聞き覚えのある声で、「水分を取った方が宜しいですよ。」と此方の目の前に木製の筒を差し出してくる。
筒の中から良い香りがしてきて、中身を確認すると満杯の液体が入っており、タプタプと揺れて音を鳴らしている。
どうやら中身は、お茶のようである。
俺は思わず顔を上げて振り向くと、同時に驚いてしまった。
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