エピローグ それからの、これからの。2
俺はため息を吐きつつ、不満げな表情をしながら話かけた。
「…それで、何か用か?」
「えぇ、…本日より此方の宿を引き払いますので、ご支度をしに参りました。私は荷物を纏めますので、…ヒルフェも身支度を済ませておいてください。…後、食事の部屋にも朝食を用意してあります。」
とダフネは説明をしてくる。
「…あぁ、わかった。」
と俺も短く返事をした。素直に指示に従い、着替えを済ませていく。
まず寝間着を脱いで畳み、枕元に置かれた服に袖を通したのだった。坑道を出てから、ずっと普段着にしている服だ。
因みに、これらを全てをダフネが洗濯して、部屋に用意してくれている。
ダフネも部屋の片付けをだした。すぐさま荷物を集めて鞄にしまっていくと、瞬く間に終わらせ、即座に踵を返して部屋から出ていってしまう。
俺の私物は有って無い様なのだ。殆ど時間が掛からないのだった。
その後を俺も追いかけて退室していき、廊下を移動していくと、リキッドの部屋の隣の扉を潜って入室する。
すると部屋の中央には、クロスの掛かったテーブルがある。天板の上に朝食の料理、ーーパン、サラダ、スープ、肉のメインディッシュ、ーー、が並んでいる。
どれも出来たてで、湯気と共に食欲を刺激する香りを漂わす。
俺は香りを鼻から一杯に吸い込むと、腹の虫が鳴っていた。すぐに座席に腰かけるのだった。
すかさずダフネが側に寄ってきた。手に持つティーカップに茶を注ぎながら、目の前において食事を促してくる。
「どうぞ。…ヒルフェ坊っちゃん。…冷めないうちに、召し上がれ。」
「…皮肉か、この野郎。…いただきます。」
と俺はやや愚痴った。だがすぐに、食前の祈りをしながら、心の中ではダフネに感謝しつつ、銀食器を手にして食べ物にありつく。ひとたび口に入れて咀嚼すれば、程よい温かさが全身に染み渡る。凄く嬉しい気分だった。




