ある男達の末路 12
美女も狼狽えてしまい、一歩も動けずにいた。
周りの職員達も黙ったままである。誰もが恐れて目を反らしており、指摘するのを躊躇する。
その様子をフォン支部長は見て、ほくそ笑んでいた。次第に口角を僅に吊り上げると、再びリキッドの方へ向き直り語りかけだした。
「…全く仕方ない奴等じゃ。…大した事はないのに大袈裟に騒ぎおってからに、…報告では坊っちゃんは別の奴らと行動しているようです。まだ山から帰ってくるのに時間が掛かっているようですじゃ。…」
「そう言った様な感じには見えなかたがなぁ。…それに、まだヒルフェ君がいないようだが?」
とリキッドは聞き返す。やや状況が理解出来ずに、戸惑っていた。
そのまま二人だけで話が進む。
「…彼は無事なのかい?…」
「えぇ、何もありませんし、無事らしいですよ。…大事なお孫様なら、心配するのも無理もないです。…落ち着いて待っていてください。」
「うぅむ。…重ね重ね聞くけど、何もなかったんだね。」
やがてリキッドは話を聞くと、訝しげな視線を送っていた。ただ心の中では納得しかけてしまっているようだ。
「大丈夫です。…後は我々に任せてください。…万事、問題もないようですわ。…さぁ、先程のお部屋の方で寛いでいてくだされ。」
さらにフォン支部長は、言葉を並べていく。巧みに話を反らしてしまい、執務室の方を指差して促していた。
リキッドも踵を返して、ゆっくりと歩き出す。
「…なら、また待たせてもらうか。…」
「騙されんなよ!…ジジイ!!」
その時、ギルドの入り口から怒鳴り声がしてきた。
同時に、「あぁぁーー!!」と、真っ先に美女が気がつき、驚きながら玄関を指差す。
この場の全員が振り向き、視線が集中する。
リキッドとフォン支部長も思わず立ち止まり、後ろを振り返っていた。
すると玄関口には、ヒルフェが立っていた。
さらに背後にはノイマンやテッドと、魔法使いの少年達が続々と扉を潜って中に入ってきている。
因みに最後尾にはダフネが控えていたのだった。




