ある男達の末路 11
「あ、馬鹿?!…余計な事を言うな!」
フォン支部長も狼狽えだした。声を荒げながら割って入ろうとし、慌てて静止を図ろうとする。
しかし、リキッドが真っ先に前に出てきて、対面する様に向き直ると、鋭い目付きを向けながら怒気の含んだ声で問いただした。
「どういう事だい?…彼女の言っている事は事実なのか?…いったい、…何があったんだ?」
「えっと、…」
対してフォン支部長は言い淀みながら、たじろいだ。両目が泳いで激しく動揺しており、口から言葉が出てこない。
「どうなんだい?」
と、さらにリキッドが詰め寄る。
するとフォン支部長は、ハッとした表情になると、薄ら笑いを浮かべて平静を装って否定しだした。
「へへ、何もありゃしませんよ。…彼女は、少し疲れて混乱しているだけでして、…さっきまで錯乱して手が付けられなかったんですわ。」
「な!?」
その後に、美女は両目を見開いて驚く。彼の言葉を聞いて、己の耳を疑った。
すかさずバンダナ男が側へ行き、フォン支部長の胸ぐらを掴んで、怒鳴りつける。
「てめぇ、!!…何を言っていやがる!!」
「何を怒っておるんじゃ?」
とフォン支部長は、動じずに答える、普段の様に飄々とした態度を崩なさい。さらに悪どい笑みを浮かべると、
「…お前さん達が喚こうが証拠も何もない。これ以上の追及なんぞ、出来るまい。…お前達みたいな阿呆とは違い、ワシの方が口が回るから、言い訳や誤魔化しなんぞは何年もやってきた。…いくらでも出来るんじゃよ。…」
と、微かな声で囁いた。
その言葉は、目の前のバンダナ男にだけしか聞こえていない。
今度は彼がたじろぎ、苦虫を噛み潰した表情で何も言えなくなる。
事実上、今はフォン支部長を追いつめるだけの情報や材料はなかったからだ。




