表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/48

あいつが勝手にやったんです~、なんて言われてもな

剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話を、書きたくなったんで書いてみた作品です。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。


コミューターを降りて校舎に向かう、右を見て左を見る。

もう一度右を見ても、待ち伏せしてるハイエルフはいない。


「 気にし過ぎか 」


靴を履き替えたら右へ曲がる、4~6組は右側に在るから。

角を曲がったら、4組の扉の前でエチゴが待ってた。

エチゴの後ろにも何か見えたけど、直ぐに教室に引っ込んだんで分からんかった。


「 おはようカミハ 」


「 おう! 」


「 足は大丈夫かい? 」


「 問題無いぞ 」


足を動かして大丈夫なアピールをしてみる。

ランニング中に足をグネるのはよくあるよな、なんて話をしてたら取り巻きを引き連れてイザベラが出てきた。

当たり前の顔してエチゴの隣に来る、その他のハイエルフは2人の後ろにいる。

4組の女子全員がエリザベスの取り巻きだったんだな、通路が女子で一杯になってる。

もう壁だ。


「 おはようございます、カミハ様 」


「 おはようございます、エリザベス様 」


ハイエルフと関わらないのが家の方針だけど、挨拶されたら挨拶はしないと。

無視したら何言われるか分からんし、何するか分からん。

『 不敬罪ですわ 』 とか言い出しそうなんだよ。


棒読みのあいさつしたら、エチゴが嫌な顔したけど気にしない。

挨拶は挨拶だから問題無い、感情が入ってない方がハイエルフらしくて良いまであるって聞いたし。


「 カミハ様、申し訳ございませんでした 」


いきなりエリザベスが頭を下げた、取り巻きはスゲー顔してる。

それより、謝罪って言われても何なのか分からん。


「 何の謝罪ですかね? 」


「 カミハ様への、一連の不始末の管理不足の謝罪です 」


一連のって事は、シミュレーターやらDでの演習やらって事なのか?

多分そうなんだろうけど、我が家ではもう終わった事だし。


「 謝罪は受け付けません。 お話がそれだけでしたら・・・ 」


面倒で仕方がないんでサッサと6組に向かう。

それにハイエルフとは絡まない、それが我が家の方針だから。


「 待ってくれカミハ、エリザベスが謝ってるじゃないか。 どうして・・・ 」


エチゴが僕の肩を掴んで引き止めるけど、最後まで言わせるつもりは無い。


「 実戦だったら、俺の命はあそこで終わってた。 それじゃ不足か? 」


「 そうだけど、あれはシミュレーションだよ。 それにエリザベスがやったんじゃない 」


エリザベスはやってない、そりゃその通りだ。

って言うか、高位のハイエルフはそんなこと自分でやったりしないらしい。

自分の手は汚さないってのが、高位のハイエルフなんだと。


エチゴは困った顔してる。

彼を困らせるつもりは無いし、多分だけどエリザベスから仲介を頼まれてそうだし。

難しい立場なんだろうなとは思うけど、ハイエルフと絡むからそうなるんだよ。


「 ハイエルフってさ、小さい頃から色々勉強するって知ってるか? 義務やらマナーやら立ち振る舞いやら、普通のエルフが知らないことまで勉強するんだってさ 」


「 知ってるよ。 僕も少しは勉強してる 」


やっぱりエチゴは勉強してるのか。

上位のハイエルフとも取引有るんだから、マナーやら何やらは必要なんだろうな。

大変そうだ。


「 その中でさ、派閥の主家に対する忠誠なんかも学ぶんだと 」


「 聞いてる。 主家の意向をくんで、言われなくても行動するんだろ。 今回の件だって・・・ 」


エチゴは言う、今回の件は主家の意向を勘違いして暴走しただけだと。

もちろん責任は主家であるエリザベスん家に在るけど、彼女は悪くないと。

管理責任は在るけど、彼女のせいではないそうだ。


俺には、責任は在るけど悪くないってどういうことか理解できない。

それよりだ。


「 小さい頃から学んでてさ、やったら主家が不利になるような事やるかね? 」


「 場合によっては有るさ、良くある話じゃないか! 」


よくある? ハイエルフの中で?

勝手に暴走するようなヤツの話を俺は聞いたことが無いんだけど。


母さんやアイから訊いた話じゃ、そんなヤツはそもそも近くに置かないだろうって言ってた。

場合によっては、物理的に消去されるとか聞いた。

そうしないと、上位のお家が責任取らされるケースもあるからだそうだ。

権限もあるけど責任も取らされる、上位ってのはそういう事なんだろうな。


俺だって、勝手に暴走してコッチを巻き込むようなヤツとは友達にはならない。

近くにだって寄らないだろう、俺ならそうする。


チラッとエリザベスを見ると、さっきまで無表情だった顔が歪んでる。

心配そうな顔でエチゴを見てる。


「 勝手に暴走するヤツばかりだったら、ハイエルフ界隈はヒデー事になってるんだろうな。 知らんけど 」


「 いや、そんな事は無い・・・ 」


エチゴは言いかけて、周りの雰囲気が変わったことに気づいたらしい。

周りを、エリザベスとお付きをみて口を閉ざした。


「 同じ組に入学して、同じ班になるメンバーだぞ? Dの攻略で命が掛かってるんだぞ? 班の全員が揃って、主家の意向と真逆の事をすると思えないんだけどな 」


「 それは・・・ 」


ハイエルフの皆さんは、揃ってスゲー顔して俺を睨んでる。

謝罪したくなきゃしなけりゃいいのにって思う。


「 エチゴと同じ組になるハイエルフって、エリザベス様の母親が選んでるって知ってるよな 」


「 そうだね、そう聞いてるよ 」


「 自分の考えと真逆の事しでかすヤツを選んでるんだが、そこんトコはどう思う? 」


ハッキリ言葉にするとハイエルフへの不敬罪になるから言わないけど、エリザベスの母ちゃんは見る目が無いって事になるんだよな。

まぁ、期待外れのヤツが出るのは仕方がないけど、全員が揃っててなるとな。

流石に母親の見る目を疑う、反対に全員が期待通りってケースもあるけど。

そうなったら、早めに離れた方が俺の為になるハズだと思う。


「 ・・・ 」


取り巻きが今にも殴りってきそうになってるから、それを見たエチゴが何も話せなくなっても仕方がない。

バラバラな親が教育した、別々の家庭で育ったハイエルフ全員が俺を睨んでるんだ。

つまりだ、少なくとも意見の統一をやろうと思えば出来るんだよ。

だから勘違いして暴走なんて、本当なのかよって話しだ。

やらんと思うけどな、俺なら確実にやらん。


エリザベスはもういつも通りの顔に戻ってる、微笑んでる様なバカにしてる様な。

高位のハイエルフはシッカリ教育されてますね、って言ったらマズいか。

エチゴは俯いてるし、エリザベスは何も言わないし、話は何も進みそうにない。


「 じゃ、またな 」


俺は、エチゴとエリザベスと取り巻きを突き抜けて6組に向かう。

後ろから蹴りでも飛んで来るかと思ったけど、そんなことは無かった。

蹴ってくれたら対応が楽でよかったんだけど、そこまで無謀なヤツはいなかった。

ほらな、やろうと思えばできるじゃん。


「 おはよう 」


6組のドアに手を掛けてから一呼吸、強引に気分を変えていく。

ドアを開けたら元気に挨拶だ、これから組メートになるんだし最初が肝心だ。

朝っぱらから胃がもたれる事が在ったから、気分を変えないとやってられんってのもある。


「 おはよう、カミハ 」


「 お早う、スミス 」


組では成績順に並ぶことになってる、廊下側の前から並ぶことになってる。

男子が先になってる。

だから4組から落ちてきた僕は、仮にだけど一番前の席になる。


6組には男子がもう一人いる、名前はスミス。

席に着いたら振り返ってスミスに話しかける。


「 カミハだ 」


「 よろしくカミハ。 僕はスミス 」


握手しようと手を出したら、スミスも応じてくれた。

スミスは背が低くて筋肉も無さそうなんだけど、手はゴツゴツしてる。

運動は苦手そうだから、かなり道具を使いこんでると見た。

彼ん家はエンジニアだってのは知ってる。


「 カミハは色々大変だったみたいだね 」


「 まあね 」


「 僕んちは、母さんが軍の兵器省に勤務してるから軍閥派だよ 」


男子のプロフィールは、ナンバーボードで確認できる。

もちろん親の情報も、公開してる分は確認できるようになってる。

アイが調べたら、スミスの母親は兵器省で小火器の設計を担当してるらしい。

歩兵が携帯出来る、小型の火器類の設計だな。


「 だったら仲良くできそうだ 」


「 だね 」


二人で笑いあった。



誤字脱字の報告、それと、読後の感想などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ