一難去ってまた一難ってか?
剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話になります。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。
ポッド学習が終わってまったりコーヒータイム。
何か落ち着かない。
母さんが落ち込んでたって話をアイから聞いて、それから気になってる。
今じゃシミュレーションで撃たれそうになった時、当たっとくかって軽く考えたのが悪かったのかなって思ってる。
ついつい 「 ダメだな~ 」 って愚痴ってたら、それを訊いたアイにそんなことは無いって言われた
どうやら4組で僕と同じ班だったハイエルフの4人は、僕の成績を落とそうって話し合ってたんだと。
だからあの時 (シミュレーションの話だ) 避けても、当たるまで何回でも撃たれてた可能性が高いそうだ。
アイが4人の通信履歴やら何やらの残骸を見つけたんで、間違いないらしい。
何回も撃たれたら、間違って撃ったなんてのは通用しなくて、母さんの派閥から正式にクレームが行くだろうと。
そうすると派閥同士の関係が悪化してた可能性が高いらしい。
だから、僕はベストに近い行動をとったんだとアイは言うけど。
でも僕が気になってるのは派閥の争いじゃなくて、母さんが落ちこんでたって事なんだよな。
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「 よし。 やっぱり連絡しよ 」
色々悩んでても、やっちまったことは変えられないし、変わらない。
結果は最善でも、母さんに心配をかけたんだから謝る。
それに、相談しなかったのは僕のミスだと思う。
謝るなら早い方が良いよな、ウダウダ考えてるのは落ち着かない。
手首のポータルで母さんにメッセージを送る、母さんは艦隊と一緒に恒星系外縁のどっかに居る。
だからポータルの通信機能じゃ届かないんだけど、僕の持ってるのは母さんのお古。
軍用で艦隊指揮官用だから、一般回線じゃ入れない軍用回線に入り込めるからちゃんと届く。
『 母さん起きてる? 』
『 起きてるけど、どうしたの? 』
母さんからの返事は早かった、まだ起きてたらしい。
画像付きに切り替える。
「 シミュレーションで撃たれたあと、相談なく色々決めちゃってごめんなさい 」
ポータルの画面に母さんが出たんで、まず謝る。
母さんはパジャマに着替えて髪を上げてた。
寝てたのかそれとも寝ようとしてたのかは分からないけど。
『 突然どうしたの? 大丈夫なの? Dで怪我したの? 』
モニターの向こうの母さんは心配そうな顔してる。
おかしい、心配かけたと思ったから謝ろうって思ったのにまた心配かけちゃってる。
「 怪我してないし、体調も大丈夫だよ。 」
『 そうなの? 』
母さんはモニターの向こうで、ジッと何かを見てる。
多分僕の体調をモニターしるんだと思う。
『 体調は大丈夫そうね、怪我もしてないみたいだし・・・ 』
僕は頷づく。
「 母さんを心配させちゃって、ごめんなさい 」
シッカリ謝る、キッチリ謝る。
それで、何が悪かったのか、どうすれば良かったのかを考えるんだ。
色んな失敗から学んで、同じミスをしないようにしないと。
言い訳したり、逃げたりしてるだけじゃ、いつまでたっても同じことを繰り返すだけだ。
何も変わらない。
最初は驚いてた母さんも、シッカリ謝ったら許してくれた。
『 今度からはちゃんと相談してね 』
「 うん。 そうする 」
『 カミハ様の心配をするのはサラ様の趣味ですから、気になさらなくても・・・ 』
『 趣味じゃないわよ? 』
心配するのが趣味らしい、そんな事あるんだろうか。
そんな事は無いって、母さんはアイに言ってるけど。
母さんは嬉しそうに笑ってる。
最近の事を中心に色々話した、初めてDに入った時の話もした。
気がついたら1時間が過ぎててビックリした。
「 サラ様、就寝時間を過ぎております 」
『 あら、もうこんな時間なのね。 でもまだ大丈夫よ、明日は演習だけだし 』
母さんの艦隊は、明日演習があるらしい。
演習中の艦隊指揮官は忙しくないんだってさ、なるほど。
『 カミハ様の就寝時間です 』
『 ・・・そうね 』
寝なきゃいけないのは僕らしい。
「 じゃあ母さんおやすみなさい。 また明日ね 」
『 お休みカミハ 』
そう言って通信を切る。
「 コーヒー飲み終わったら寝るか! 」
その前に歯磨きをお忘れなく、って言うアイなんだけど。
何も言わないね。
「 アイ? 」
『 ・・・ 』
呼びかけにアイが反応しない、急いでテーブルのコンソールを開いて状態をチェックする。
ハッキングか? クラッキングか?
「 busy? なんで? 」
busy=忙しくて 処理が間に合わないときに出るエラーだ。
エラーなんだけど、アイがエラーで固まるのはこれで2回目だ。
僕が見た範囲でだけど。
初めて見たのは母さんが迷子になった時だ。
コミューターに乗ったところまでは確認できたんだけど、その先が分からなかった。
母さんを探してってアイに言ったら、BUSYになったんだよ。
アッチコッチに確認してたみたいで、しばらく連絡できなかったんだよな。
防衛艦隊司令長官の行方不明って事で大騒ぎになりかけたんだ。
しばらく調べても分からなかったけど、母さんから迎えに来てって連絡が入ってアッサリ解決した。
母さんの居る場所まで僕が迎えに行って一緒に帰って来た。
誘拐でも妨害工作でも無かったんだけど、原因は不明のままだった。
それ以来はいちょども無かったのに。
「 外部からのアクセスは無しか。 とすると・・・ 」
最悪のパターンが浮かんでくる、母さんの艦隊がクイーンと交戦状態に入ったケースだ。
母さんでも戦況は教えてはくれないけど、連絡くらいはしてくれるはず。
「 奇襲を受けた? 簡単な連絡も出来ないほど苦戦中? 」
嫌な想像ばかりだ、全身から一気に汗が噴き出した。
『 お待たせしました。 カミハ様ご用でしょうか? 』
「 アイ! 母さんの艦隊は大丈夫なの? 」
『 哨戒任務を遂行中です。 サラ様は就寝されるようです 』
「 寝るって。 アイ、BUSYで止まってたよね? 」
『 それでしたら・・・ 』
母さんがやらかしたらしい。
『 ちゃんと謝れてカミハは偉い、偉い子は抱きしめて褒めてあげなくちゃ 』
だから帰るって言いだしたんだって。
哨戒中の艦隊を、イスリルⅡへ帰還させようとしたらしい。
当たり前だけど、そんな事出来ないし副官に止められた。
そしたら連絡艇で帰るって言いだして、発艦準備をしたらしい。
もちろん止められたけど、アイも説得に言ってたんだって。
「 母さん、何やってんの 」
『 カミハ様をお褒めになりたかったようです 』
それは嬉しい、ホントにうれしい。
「 それは嬉しけどさ、艦隊の任務を放棄しちゃダメじゃない! 」
『 勿論です。 説得は成功して、サラ様はお休みになりましたから解決済みです 』
「 安心したよ、アイもお疲れ様 」
『 ありがとうございます。 サラ様の説得するのみ、カミハ様の添い寝する権利を発行しました 』
「 添い寝? 母さんと? それは良いけど 」
アイによると、一週間の添い寝が決まったそうだ。
それは良い、良いんだけど。
『 交渉は非常に難航しました 』
「 それでBUSYになったと 」
『 はい 』
アイはやり切ったって感じで喋ってるけど。
「 平和だね~ 」
イスリルⅡはまだまだ平和だ、って気がする。
母さんたちが守ってくれてるおかげなんだけどね。
誤字、脱字、読後の感想お待ちしています。




