僕の計画は完璧だ! ばあちゃんの名にかけて!
剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話を、書きたくなったんで書いてみた作品です。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。
母さんは艦隊の提督の任についてる。
母星を守る3個艦隊の内の1つを率いてる。
3個艦隊は恒星系内で哨戒任務、恒星系外周部で警戒任務、保守点検を繰り返して勤務してる。
各任務は1~4週間程度あって、全部で大体12週間になってる。
今、母さんの艦隊は恒星系外縁部で警戒勤務中だ、だから次に家に帰ってこれるのはまだ先になる。
保守点検何かの時は毎日家に帰ってこられるんだけどね。
僕が家の前でコミューターを降りると自動的に家の門が開く。
もちろん閉まるのも自動だし、家のトビラも自動で開く。
「 ただいまアイ 」
『 お帰りなさい、カミハ様 』
母さんが家を留守にするのは仕事の都合で、僕が小さい時からずっと続いてる。
もう慣れたつもりだ。
母さんがいない家の中を見渡すと、何だか広く感じるけど。
最近のエルフ族には男子が生まれてこない、だから女系相続になってる。
母親が居なければ長女が家の事に責任を持つことになってる。
僕は一人っ子で姉も妹も居ないのに、母さんが長期の任務中で家に居ない今でも僕には決定権は無い。
母さんがアイに任せてるんだよ。
なんでか知らんけど。
荷物を部屋に置いたら、洗面所で手洗いとうがいだ。
アイは病気なんかの予防には決して手を抜かない、サボったりしたら色々とマズイ。
オカズが一品減ったり、コーヒーが妙に苦かったり、突然小さな声でボソボソ言ったりする。
食事中やトイレ中、フロ場なんかでボソッと声が聞こえたら結構怖い。
特に頭を洗ってる時に背後でボソッと言われると結構来るんだ。
僕はそっち系が苦手だ。
だから手洗いもうがいもサボったことは無い。
小さい時からの癖で、今じゃ手を洗わないと気持ち悪い。
『 カミハ様、サラ様から着信です 』
「 母さんから? 」
手を乾燥してるとアイが言った。
ちなみに顔を洗ったら拭かなくちゃいけない。
手と違って、水滴を吹き飛ばすほどの強い風を顔に当てるのは危ないから。
それにどの方向から風を当てても、顔についてる水滴は髪とか服とかに飛んでく。
床にも飛んでくだろうね。
そんなこんなで、顔を洗ったらタオルで拭いてる。
水滴を吹き飛ばすのがダメなんだから、逆に吸ったらどうだろうか。
髪が吸い込まれて大変な事になりそうだ、誰か画期的な方法を開発してくれないかな。
そんな事を考えながら顔を拭いてる。
「 母さんはまだ外縁部なんだよね? 」
『 はい カミハ様。 サラ様は約25日間は、外縁部で哨戒任務の予定となっています 』
僕の記憶に間違いはなかった。
母さんは、イスリル2のある恒星系の外縁部で哨戒任務中だ。
母さんが任務中には、夕食後に僕から連絡するようにしてる。
それ以外にも母さんからは毎日連絡が来るけど、いつもは連絡があるのは夕食後だ。
なのに今日はスゲー早い。
つまり普通ではない事が在ったと言う事だね、何となく予測は出来るけど。
「 学校から連絡が行ったのかな? 」
『 26分前に担当教官が連絡しています 』
「 やっぱり 」
『 私からは2時間前に連絡しています 』
「 アイも連絡したんだ 」
連絡は早い方が良いのは当たり前だけど、なぜアイは自慢げな感じがするのは気のせいだろう。
「 でも26分前だとまだお説教中じゃん。 教官はどうやって連絡したんだ? 」
アイは僕のj計画を知ってるから、連絡を入れても不思議じゃない。
でも教官はどうなんだ?
予約通信は当たり前のやり方だけど、でもお説教中に送信するのって不自然じゃね?
初めてのD実習の後に、予想通り教官に説教された。
あることないこと言われた。
次に繋げるための助言じゃなく、単なるイヤミの連続だったんで内部処理でスルーした。
だから、何を言われたかは覚えてない。
『 サラ様は通信に出る事が出来なかったようです。 不在録画を確認したところ、教官が送信してきた通信のタイムスタンプは26分前になっていました 』
「 なるほど? 」
『 教官が送信した映像に不自然な点が見受けられます 』
アイの解析では、教官の映像の光の加減が26分前の気象条件に合わないと。
教官の顔や周囲の光の状態と、気象条件が合っていないそうだ。
連絡した教官の背景画像が教官室だったらしいんだけど(僕は連絡の映像は見ていない)、教官室のある建物と窓の位置、建物の周囲を分析して得られた結果と映像にズレがあるらしい。
アイは何やってんだろ。
『 最低でも3日前には記録されていたはずです 』
「 3日前ってことは、教官に僕の計画がばれてたってこと? 」
僕の計画は完璧だ! ばあちゃんの名にかけて! のつもりだったんだけどな。
エチゴにだって話して無いのに、何処から漏れたんだって事なんだよ。
『 カミハ様とエチゴ様を別のクラスにする計画を、独自に立てていたようです。 教官は貴族派ですが、依頼者は確認できていません 』
「 教官の独断って事か、まぁ僕の計画が漏れてたんじゃ無ければいいや 」
僕の計画がバレて無くて良かった、バレてたら色々不味かった。
その場合はアイが情報を流したか、ハッキングされたって事になるから。
家の盗聴で漏れた可能性もあるけど、アイと宇宙軍が常時監視してるから可能性は低いと思う。
今、エルフ族は種族の存続をかけた戦争中だ。
国ではなく種族の存続が掛かったQとの戦争中だ、まだまだ終わりは見えていない。
大人も子供も総動員体制で余裕なんてない。
ハイエルフは社交とか社交とかお茶会とかやっているようだけど、一般のエルフにはそんな余裕はない。
物資が配給制になったりとか娯楽の禁止とかは無いから、そんなにギリギリって事ではないと思う。
僕が住んでるのが首都星ってのもあるだろう、首都星が配給制になったら負け確定だからな。
闘いに勝つのが主たる目的になってるから、最新技術は軍需に惜しげなく突っ込まれてる。
つまり、軍が警戒してる家に盗聴や盗撮を仕掛けるのは技術的に難しい。
逆に言うと、軍に狙われたら高確率でセキュリティは突破されるんだけど。
「 僕と教官の目的が合致して、スムースに進んだって事かな 」
「 教官は特定の場所への報告を実施していません。 カミハ様の考えでよろしいでしょう 」
計画が上手くいったって事で良しとする、情報漏洩が無いなら問題は無いだろう。
『 サラ様と回線が繋がりました 』
『 お帰りなさい、カミハ 』
「 ただいま 母さん 」
小さい頃からの決まってる挨拶だ、母さんは何時でも何処にいてもお帰りなさいって言う。
僕が家に居て母さんは恒星系外周部に居る、艦隊の位置は軍事秘密だから具体的な座標は知らない。
それでも母さんはお帰りなさいって言う。
『 クラスが変わったんですって? 教官が言ってたわよ 』
「 そうなんだよ。 やっぱりハイエルフとの付き合いは難しくってさ。 エチゴは良いヤツ何だけどさ・・・ 」
色々バレてそうだし、計画は終わってるから素直に話す事にする。
僕の話を訊いてる間、ズッと母さんはニコニコしてた。
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