らしさって大切だよな
剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話になります。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。
※誤字報告を頂きました、ありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします。
06:00 電子音で目を覚ます。
入学前は07:00に起きれば良かったんだけど、それだと時間に余裕が無いんで少しだけ早めに起きるようにしたんだ。
「 行ってきます 」
「 行ってらっしゃい、気を付けてね 」
母さんに見送られてランニングに出発、もちろんストレッチしてからね。
いつもなら僕が母さんの出勤のお見送りするんだけど、母さんの取った2週間の休暇はそのまま休暇になるそうだ。
家を出てボルトシティー中央にある大きな池のある公園に向かう、その中の30kmコースを30分掛けてユックリ1周する。
何時もの公園の何時ものベンチにエチゴが待ってる、変わらない日常ってのは大切だ。
「 お早うカミハ 」
「 おはようエチゴ 」
何時ものようにエチゴから水を受け取る。
「 昨日の映像凄かったな 」 何がとは言わないけど
「 カミハも観てくれたんだ 」
「 母さんと一緒に見たよ、参考にしなさいって事だろうな。 100万クレジット掛けたって聞いたけど本当か? 」
「 本当だよ。 母上が用意してくれたんだ 」
「 マジかよ 」
100万クレジットは本当だったんだ。
手元になる水を見る、これが10万本ね、ちょっと想像できない。
「 それは椅子だけの値段だよ。 部屋はリフォームしたし、サイドテーブルとかスーツもかな。 全部で1000万クレジット位だと思うよ 」
「 あの部屋ってこないだ遊んだ部屋か? 」
「 あの1階下のフロアの角部屋だよ。 改装したから、これからは専用の部屋になるね 」
「 お前んちって部屋沢山あるからな 」
僕は水を飲む、エチゴは笑ってる。
「 僕が使わないと他の子が使えなくなるから、遠慮なく使いなさいってさ 」
「 そんなもんなのかね? 」
僕としてはクレジットを掛けるつもりはないから、使う前提なのが分からない。
「 難しい顔してるね、納得いかないかい? 」
「 ん~。 納得行かないって言うか、必要性を感じないって言うか? クレジットで高評価稼いでどうすんだって事なんだよな 」
ハハハとエチゴが笑ってる。
「 君らしいって言えば君らしいね 」
エチゴから聞いた話じゃ、僕らと同学年の家ではそれなりにクレジットを掛けてるらしい。
高評価を稼いで、ナンバーボードの順位を上げるためにだ。
クレジットの使い方は色々あるらしいけど、何を買うにしても購入先はエチゴん家になるから分かるんだってさ。
「 僕のプラスは今25万で、登録者は27万だね 」
エチゴは腕に着いたポータルを捜査して確認してる、ポータルは最新型の最高級品だな。
余分な宝石が付いてるのは特注なんだろうけど。
ボルト10の居住者は30万だ、登録者が27万ってことはだ、男子や子持ち家庭を除くほぼ全員が登録してる事になる。
「 俺はプラスが5で登録者も5だね 」
比べるのもなんだけど、聴いちゃったら答えないとな。
投稿の評価や登録者数何かの詳細情報が見られるのは、本人と登録者だけで基本的には秘密だ。
「 でも、クレジットを掛ければ良いってもんじゃないと思うんだ 」
「 1000万クレジット掛けたお前が言うか? 」
エチゴはエチゴママから言われたらしい、 『 自分の立場を考えなさい 』 って。
クレジットと立場の関連性が分からないが、大きな商会の跡取りには必要なんだろう。
「 俺には無理だな 」 ちょっとため息。
「 カミハのお母さんならそれなりにクレジット掛けられると思うけど? 」
「 そっちじゃないよ 」
ベンチにぐったりもたれ掛かる、今日のボルトの天気は晴れになってて降水量は0だ。
もっとも、まれにランダムで雨が在るから絶対じゃないけど。
ドーム内でも自然に近い環境に近づけるためのランダムな雨だそうだ。
投稿が良くても中身が無いと意味は無い、母さんの所属する軍閥じゃ実力主義だって聞いてる。
僕が結果を出さなきゃいけないのは、登録者数じゃなくて実技の成績だと思う。
それよりだ、母さんはたぶんそれなりに稼いでる。
でも僕は家計って気にしたことが無い、これは不味い。
迷惑は掛けて無いし贅沢もしてないつもりだけど、今度母さんに聞いておかないと。
「 カミハ? 」
「 ああ、なんでもない。 ちょっと気になった事が在ってね 」 それよりだ。
みんながナンバーボードを気にする理由が分からない、なんて言ったら笑われるかな。
それとも病院送りになるんだろうか、男子専用の病院が首都モンステラにあるって噂だ。
入ったら出てこれないって噂だ。
「 何でもないよ。 母さんにも言ったんだけどね、僕は僕らしくやるだけさ 」
「 そうだね。 カミハはカミハらしく僕は僕らしく、それでいいと思うよ 」
エチゴが笑ってる、ベンチの後ろに生えてる樹も笑ってる気がした。
僕はベンチから立ち上がりその樹の幹をぺちぺち叩く。
「 じいさん起きてたんだ 」
『 私と君の間に血縁は無い。 わが種族には睡眠は必要無い 』
樹木族は長寿な種族だ、素早く動くことは出来ないが思考能力に優れている。
移動は何らかの機械に頼ることになるが、思考を信号に変換することで自在に操る。
ただし、それでも素早くは動けないのは知ってる。
「 最近は話し声がしないから寝てると思ったんだよ 」
『 わが種族には「 睡眠は必要ない 」 その通りだ 』
樹木族は素早く動けない、発言も発生装置を用いるためタイムラグが在る。
それに割り込むのは樹木族に対しては、最大の無礼だと聞いてる。
実際にはそんな事なんてなく、何も気にして無いってじいさんが言ってた。
『 細かい事を気にしていたら大木になれない 』 だそうだ。
さっぱりしてると言うか、おおらかと言うか。
樹木族らしいって感じだな。
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