認識の違いって食べるモノにも表れるよね
剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話になります。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。
※誤字報告を頂きました、ありがとうございます。
反応が在るってのは、投稿してるって感じがして最高です。
2日目の授業が全部終わった、今日も6時限みっちり授業だった。
授業は午前が3時限でお昼休みを挟んで午後が3時限、1時限は30分で休憩時間が20分ある。
まだ1年生だからね、こんなもんじゃない?
学校帰りのコミューター窓から、清潔な町並みが後方へ流れてくのが見える。
帰る方向は違うんだけど、エチゴとイザベラも一緒に乗ってる。
母さん達も一緒に乗ってるから、全員で6人乗ってる。
豪華な大型のハイエルフ向けのコミューターで、呼んでくれたのはイザベラのお母さんだ。
僕の母さんが呼ぶと軍用コミューターが来ちゃうからね。
「 ではサラさんは、毎朝スープを手作りされているのね。 それにコーヒーも 」
「 ええ。 カミハは私の淹れたコーヒーが大好きですから 」
お母さん3人分の目が僕に集中する。
ナンダナンダ、そんなにオカシイ事なのかな。
「 家はたいてい紅茶だよ 」
「 私も何時でも紅茶ですわね 」
エチゴとイザベラの家じゃ紅茶だって、コーヒーは飲まないのか。
2人は食べ物の趣味もあってるのか、仲の良いこって。
「 紅茶でも良いんだけど、僕は母さんが淹れてくれるコーヒーが好きなんだよ。 落ち着くし、気分転換には最高なんだ 」
エチゴの家に遊びに行った時に、エチゴのお母さんが淹れてくれた紅茶は美味しかった。
美味しいし楽しかったんだけど、でもなんか違うんだよな。
力を入れたら割れそうなカップで、小指を立てて、お話ししながら飲むのはなんか違った。
高い茶葉を買うのはハイエルフと金持ちだけだ、庶民はあんまり買わない高いから。
お茶会をするのもハイエルフと金持ちだけだ。
僕はお茶会なんて行った事がない、母さんは時々行くけど。
「 でも、お茶会に呼ばれたらどうするんだい? 僕は最低限のマナーは身に着けておくべくだと思うんだけどな 」
エチゴの言葉にイザベラが頷いてる。
「 お誘いが来ても断るよ。 参加する気も無いしな 」
だから何て言うか紅茶のナンチャラってハイエルフの嗜みで、それに一部の金持ちが真似してお付き合いで金をつぎ込んでるって印象なんだよ。
僕は興味ない。
「 良いんじゃないか? 好きなものを好きな時に飲むんで良いだろ? 」
そう言ってから景色に目を移す、エチゴは良いヤツだ、エチゴのお母さんも良い人だと思う。
イザベラは、、、まだ良く分からない。
今、エルフ族は種族滅亡の危機に在る、男性の激減と終わりの無いクイーンとの戦いでだ。
緩慢でゆるやかな滅亡に向かってる、そんな時に優雅にお茶会って言われてもね。
イザベラは今もハイエルフの一員だし、たぶん彼女と結婚すればエチゴもそうなる。
2人とも将来は支配階級になるだろうな、戦闘はしないし前線には出ないだろうし。
そうなるとお茶会のマナーも必要だろうな。
僕は違う、たぶん労働者階級になる。
だからお茶会には行かないし呼ばれないだろうな、だからマナーも必要ない。
エチゴはそれが分かってないって思うんだ。
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母さん達は昨日に引き続き、今日も学校でお話し合いだった。
母さんが2週間もの休暇を取ったのはその為だ。
学校では基本的に班単位で行動する、1クラスが20人だから5人の班が4つできる。
それで男子は同じ班にはならない。
僕とエチゴがいる4組は男子が2人だから、男子がいる班が2つと女子だけの班が2つになる。
その班をどうやって分けるかっていうお話し合いだ。
簡単に言うと、将来の婚約者候補を誰にするのかってことだね。
一緒に班で行動すると、将来カップルになる可能性高いんだそうだ。
エチゴとイザベラみたいに、もう婚約者がいるって事もある。
そんな場合は2人は一緒の班になる。
それでも班分けにこだわるのは、生の正確な情報が欲しいからだってさ。
自分の娘の為だけじゃなくて、自分の所属する派閥だったり組織だったり。
情報を流す事で色んな利益が期待できる、クレジット、組織の中の地位、上からの信頼なんかが手に入る。
それに遺伝は絶対じゃない、母さんのアドミラルってスキルが僕に遺伝しなかった様にね。
でも、だからこそ、より正確な情報が必要だ。
って、母さんとアイが言ってた。
誰も彼もが、将来生まれてくるかもしれない子供のことで、一生懸命なんだって。
重要だってのは分かる、わかるけどそれを僕に言われてもな。
「 それって、Dで護衛にやられたら全部ムダにならない? 」 って訊いてみた。
『 全ての女性は男性に万が一があった時、細胞を持ち帰る義務があります。 そこがDの最深部であっても変わりありません。 命に代えても持ち帰る義務があります、それは学生でも同じです 』
例えば目の届く範囲で男性が腕だけになったら残った腕1本を、バラバラになったら血の1滴でも持ち帰らなくちゃいけないそうだ。
罰則も決まっているみたい。
『 罰則の内容をご確認なさいますか? 』
「 ・・・やめておくよ 」
だってさ、母さんが悲しそうな顔してるし、アイの口調が『 聞かない方が良いですよ? 』 って感じだったし。
男子には触れちゃいけない領域だなって、悟ったよ。
「 女子だけ集まったのはその話の為よ。 持ち帰るための用具も購入してると思うわ 」
学校に入学した女子は全員が採取のための2種類の用具、固体用と液体用をこれからず~っと一生持ち歩くんだってさ。
身の回りで男子に何が在っても対処できるように。
採取の訓練もするそうだけど、さすがに実物は使わないよな?
使わないで欲しい。
家の前で母さんと2人でコミューターを降りる、もちろん母さんより先に降りてエスコートだ。
ハイエルフじゃないけど、一般市民でもこれくらいはやる。
エチゴはこのままイザベラの家まで行くんだそうだ。
コミューターの窓からエチゴが手を振ってる、イザベラは優雅に軽くお辞儀してる。
動き出したコミューターの窓は、直ぐに視認防止のためにミラー化した。
一般のコミューターは中が丸見えなんだけど、ハイエルフ用はそんな機能まで付いてる。
中からは外が見えるんだけどね。
んでだ、ああ言うとこなんだよ、いまいちイザベラが気になるのは。
ハイエルフとしての立場を優先してるって言うか、気取ってるって言うか。
子供なんだからもっと子供らしくすればいいのに、ハイエルフっぽい仕草が何か気になる。
僕も子供だよ、それは知ってる。
だからさ、子供から見て子供っぽくないのは気にいらないんだよ。
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