重要かどうかは人による
剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話を、書きたくなったんで書いてみた作品です。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。
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台風15号の被害に遭われた方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
私の勤務先の会社も被害を受け、週末から毎日泥とガレキと格闘しております。
被害金額は何10億になるか判らないほど。
電気や電子部品やパーツの入手が困難で、完全復旧に何年かかるのかも分からない状態。
まだまだ熱中症に注意が必要です。
水不足ですが、衛生面も気を付けましょう。
クリーンの魔法が在ればね~、楽なんだけど。
ターゲットは10m先に居る護衛、形式名スライム、タイプレッド、全長42cm。
『 スライムは、比較的物理攻撃に強い護衛です。 装甲は保有していません、ですから貫通力が高すぎる攻撃はそのまま貫通してしまって、ダメージを与えられません。 核を潰せば停止しますが、中長距離の射撃で核を潰すのは極めて困難です 』
教官の声がヘルメットに響く、僕たちは室内練習場で初めての射撃訓練中。 クラスの20人全員が、それぞれのブースでスライムを見てるはずだ。 マジカルスーツのヘルメットは、男子と女子でデザインが違う。 女子は長い耳を斜め後ろに畳むようにしてヘルメットに入れてるから、ヘルメットの左右に角みたいなのが出てる。 男子にはそれが無い。
『 火力と状況に余裕が在れば、小隊集中射撃などの物量で潰すことも可能です 』
あの大きさのスライムに小隊集中射撃? 火力が過剰過ぎて魔力がもったいない。 実戦でそんな状況が起こるんだろうか、在りえないと思うんだけど。
『 タイプレッドは火属性です、タイプブルーの水属性で射撃すると、高ダメージを期待できます。 セレクターをブルーに設定して下さい 』
僕は右手の親指を押し下げて、セレクターを下から3番目のブルーにセットする。 一番下はセフティーでその上はレッドになってる。 ライフルは全長55cmの150歳以下の標準タイプで、全員学校で用意された同じ物を使ってる、だから右利き用に作られてる。 僕は左利きだから操作がし難いんだけど、標準品の武器に文句を言ってる場合じゃない。 身体に武器を併せるんだ。
ライフルは両手で保持する、右手の親指でセーフティーから単発にセットする。 一発で充分だろう。
『 皆さん準備が出来たようですね。 それでは撃ってみましょう 』
実戦ならスーツのセンサーでターゲットを補足するんだけど、ここは室内の練習場だ。 室内の射撃練習場では、スーツに繋いだコードから提供される情報を基に、映像のターゲットに向かって射撃する。 目標も映像だし、魔力も消費しないし、飛んでくのは魔力弾じゃ無くて映像だ。 シミュレーターだからね、反動も無い。
射撃魔力の出力は最低に設定した、実際に魔力を消費する訳じゃ無いくてライフルの操作に慣れる練習だから。 ヘルメット内の表示されてるスライムに、ターゲットカーソルを合わせる。 スライムは停止してる、動き出す様子はない。 射撃コントロールの目標移動予測は、ちょっとゆらゆらしてるだけだ。 そのままトリガーを引く。 青い弾丸が飛んでいって命中、スライムは形状を保てずに地面に広がった、活動停止だ。
『 皆さんよくできました。 次は複数目標になりますがやり方は同じです。 では始め 』
45分続けられた授業では、複数の移動するスライムへの射撃で終わりになった。
「 4組は静かですね~。 カリキュラム通りに進むから助かるわ~ 」
射撃ブースから戻ってきた僕たちに対する、教官の最初の一言だ。 シミュレーターだから音はしないと思うんだけどな。
「 1組や2組はね~ 『 スライムなんか俺達の敵じゃ無い! 』 って言ってね。 ゴブリンなんかをターゲットに変更させられたのよ~ 」
1組はボルト長の息子が居るクラスだ、2組はその取り巻きだ。 室内練習場での訓練はライフルの取り扱いになれる訓練だから、ターゲットなんかどうでもいいのに。 何ならドラゴンでも良いくらいだ、攻撃はしてこないし、高速で移動してる訳じゃないし。
僕とエチゴは顔を見合わせてからため息をつく。
センター長は女王様から任命されてるハイエルフだ。 でも、センター長はハイエルフでも息子は違う、爵位も爵位の継承権も持ってない。 教官に命令なんて出来ない、何をやりたいのか意味判らん。
学校は子供の可能性を最大限に伸ばすためのカリキュラムを組んでる、クイーンと戦うためのバスターになるか、それとも色々なものを作って社会基盤を支えるクラフターになるか。
神樹から貰ったスキルで将来が決まる場合もある。 『 栽培系 』 とか、『 工作系 』 とかのスキルだったら、クラフターになる可能性が高い。 クラフターでも戦闘訓練は必要だけど。
クラフターで戦闘能力が必要になるのは、最終防衛ラインが突破された非常時だけだ。 クラフターとしての能力を伸ばす方が、自分の為にも国の為にもなるだろうと思う。 自分の都合だけでカリキュラムを乱したって、全体の効率が落ちるだけだ。
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同じような訓練が3時限あって、午前中の授業が終わった。 ターゲットの移動速度は上がったし、一撃で活動停止しないターゲットも在った。 ターゲットに合わせて、タイプをスムースに切り替えるのが重要になりそうだ。
午後はクラフターの訓練になる、その前に昼食を食べておかないと。
「 カミハ、食堂に行こうか 」
「 そうだな 」
「 一緒で良いだろ? 」
エチゴが親指で自分の後ろを示す、イザベラがエチゴに隠れるように立っていた。 リア充は消し飛べばいいのに。
「 これからの事を決めておいた方が、良いと思うんだ 」
「 これからって言うと? 」
3人で一緒にテーブルに着いた、メニューは全員が同じものだ。 美味しい食事に慣れ過ぎると、社会に出てからワガママになるそうだ。 子供が少ないからって甘やかす親が多いらしい。 だからあえて味を落としてあるんだって、量は増減できるから腹いっぱいは食べられるし、栄養も十分摂れる。
ボルトの学校の校舎は10学年毎に別の場所にあって、僕たちのいる校舎は1学年から10学年が居る校舎だ。 教室から食堂まで各学年毎に分かれてるから、200人居てもそんなに混んだりしない。
「 これからの実習は、常に班で行動するだろ? その班分けをどうするのかと思ってね 」
僕らの4組は男子が2人、エチゴと僕だ。 男子1人と女子4人が2組、女子5人が2組になる。
「 適当で良いんじゃないか? 」
特に仲が良い女子がいる訳でも無いし、仲が悪い女子もいない。 こんな時なんだし、好き嫌いなんか言ってる場合じゃないだろ。 食堂の料理は充分に美味しい、母さんやアイの料理と比べても意味は無いよな。 母さんもアイも、僕の為だけに作ってくれるんだから。
「 そう言うと思ったよ 」
エチゴとイザベラに笑われた。 口の周りには何もついてない。
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