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人前で話すのは苦手なんだよ

剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話を、書きたくなったんで書いてみた作品です。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。


ストックが無くなりました、更新は2~3日に一回になります。

学校の前の車止めでコミューターから降りる、僕達を下したコミューターはどこかに走り去った。 きっと、次の乗客を迎えに行ったんだろう。 


「 えーっと。 こっちね 」


母さんに手を引かれて歩き出す、周りには同じような親子がたくさん歩いてる。 今日はボルト10シティーの入学式だ。 入学する子供はみんな若葉色の制服を着ていて、一緒にいるお母さんたちは思い思いに着飾ってる。


母さんは今日も制服じゃない。 制服じゃないから食べ零しには注意だ、ソースやタレの飛び跳ねにも注意だ。 式の途中では飲み食いは無いはずだから、終わってから家に帰るまでが勝負だ。 今日の母さんはノリノリだ、いつも以上に注意が必要だね。



「 来たなカミハ 」

「 そりゃ来るだろ、入学式なんだから 」


エチゴが門の前で待ってた、エチゴママも一緒だ。 『 122.117年度 入学式 』 、門の横には大きなホログラフが出てる。 


「 クラス分けを確認したかい? 」


「 まだしてない、今来たとこだからな 」


「 先に確認した方がいいよ。 入学式の席順が関係するからね 」


エチゴの勧めが有ったんで、クラス分けを確認しにいく。 データで送ってくれれば簡単なのに、わざわざホロで表示してるんだよな。 母さんは最初から見に行くつもりだったみたい。


記念に映像も取るの? ここで立ってればいい?


--------------------


「 ・・・ですから皆さんにはこの学校において・・・ 」


僕は4組になった、6組から2クラス上がった。 1~3組までは3人づつだから、エチゴが男子15人中で10番目で僕が11番目って事だ。 ステータスがオールEからDになってもそんなもんだ。


「 ・・・銀河は危機に満ちています。 我々エルフ族は今までも、そしてこれからも・・・ 」


全てのクラスは20人で、1~3クラスは男子3人と女子17人、4~6クラスは男子2人と女子18人になってる。 20人なのは5人のチームを4つ作るためだ、戦闘訓練でも製造訓練でも常に5人で行動する。


「 ・・・皆さんにはバスター、クラフターいずれかの道に進むことになります・・・ 」


僕たちは各クラス毎に整列して並んで座ってる、先頭の列には男子が座ってる。 神殿じゃ女子が先だったのに。


ボルトは4つの区画に分かれてる、居住区、農業区、工業区、教育区。 各区は区長が管理しており、4人の区長と、女王に任命されたボルト長の5人でボルト評議会を形成している。 つまり、入学式に招かれている来賓は5人で、プログラムでは5人がそれぞれ挨拶することになっている。


つまり、退屈で無駄な時間を5人分過ごすことになるんで、とても暇だ。 そう思っているのは僕だけじゃないはずだ、3組の男子の中には寝てる奴もいる。



「 長かったね~ 」


「 長かったな 」


エチゴと一緒にトイレに来てる、手はシッカリ洗わないとな。 ここの学校は男子トイレでも個室の座式トイレになってる、ユックリ出来るのは良い。 次は教室でオリエンテーションだ、遅れないように行かないと。


「 オリエンテーションが終わったら、男子だけお話があるそうだよ 」


「 らしいね。 母さんとアイから聞いてるよ 」


エルフ族は150歳で成人とみなされる、100歳から149歳までは大人になるための準備期間だ。 大人の仲間入りを目指す子供には、3つの物が与えられる。 1つはスキル、2つ目はマジカルスーツ、3つ目はポータル、大き目な腕輪みたいな情報端末だ。


今までは家の端末を使ってたけど、ポータルが在ればいつでも自由にアクセスできる。 だから、子供だけの内緒の通信も可能になる。 他にも使い道は色々在るんだけど、実際は面倒なだけだ。


教室に入り自分の席に座る、自分の席は机に表示されてるから直ぐに判った。 僕の席はエチゴの後ろで前から2列目、エチゴは一番前だ。 席順はステータスの順番通りになってるみたいだ。 しばらく待ってたら、担任の教師がやって来た。


自己紹介は席の順番で始まった、出欠の確認は席に座った時点で完了してる。


「 イザベラ・フォン・マーガレットと申します。 エチゴ様の婚約者です。 属性は水と風、治癒魔法が得意です 」


エチゴの隣にはイザベラが座ってた、ステータスはかなり上位だったと思ったんだけどな。 4組って事は50~60番目くらいって事なのか。 計算が合わない、後でエチゴを締め上げてみよう。


「 将来はエチゴ様と一緒に、エチゴ様のお店を経営していく所存です 」


イザベラの婚約者アピールが凄かった、他の女子の自己紹介はどっかに飛んでった。



「 エチゴ・ガードランドです。 4属性です。 将来は母の後を継げるようになりたいと思います 」


女子は全員、自分のスキルと将来の方向性を話してた。エチゴは言わなかった。 僕も母さんから言わない様に注意されてた。 男子は言っちゃダメなんだってさ。


でも全員が将来なりたいものとか、付きたい仕事の話をしてる、まだ100歳になったばっかりなのに。


「 カミハ・オーガスタです。 4属性です。 将来はまだ決めていません 」


--------------------


担任の教師から明日からのスケジュールを聞いたら、今日のスケジュールは終りだ。


「 この後、男子は第一会議室へ移動して下さい。 女子は第一屋内演習場へ移動して下さい 」


男女に分かれてお話がある。 内容は、まぁ、僕は先に母さんやアイから聞いてる。 エチゴも聞いてるみたいだし、他の男子も聞いてるだろう。 だから、確認みたいなもんだな。



「 入学おめでとうございます。 入学した男子の皆さんには、いくつかの義務が生じます。 これから説明しますから忘れないように。 判らないことが在ったら、お家の方と相談して決めて下さい。 決して1人で決めてしまわない様に。 判りましたね! 」


説明の担当は校長先生だ、メガネをかけた老エルフ。 きっと、何回も説明して来たんだろうな、ご苦労様です。


エルフ族の男子の数は少ない、だから色々と優遇されたり、保護されたりしてる。 その分の義務もあるんだけど子供の時は免除されてる。 でも入学すると大人と同じ扱いになるから、義務を果たさなきゃいけなくなる。 その一つがポータルを使った情報の更新だ、日記みたいなものだって。


「 内容や方法は問いません。 静止画でも動画でも構いません、音声だけでも結構です。 時間と才能がある方は、自分で絵を書いていた人もいます 」


エルフの男子は、最低でも10人に遺伝子を提供する義務がある。 10人と結婚するって訳じゃ無い、身体の細胞を提供するだけだ。 男子には扶養義務は無いけど親権も無い。 女性は1人一回だけ、誰からの細胞を受けて子供を作る権利が与えられてる。 


1人一回だ、誰の遺伝子を受け取るかは、女子は自分で決めなくちゃいけない。 男子が各日記はその判断の基準として使うんだって。


僕が嫌いなナンバーボードにも日記の評価は反映される。 『 情報発信の義務 』の履行だって。 何を書いても良いけど、嘘はもちろんダメだし、大げさに書いたり、あいまいな表現もダメだって。


内容が気に入ったり面白いと思った女性からは、日記の投稿評価欄に『 ポイント+1 』 、逆は『 ポイント-1 』 されるって。 基本的には毎日投稿だ。 内容が無くても毎日投稿してれば、「 まじめ 」 とか「 持続性 」とかで評価してくれると言われてる。


「 ・・・自分がこれからどうなりたいか。 将来の自分の姿を描いて、それを実現するために今日何をしたのかを投稿すると良いでしょう・・・ 」


校長先生がこっちを見てる、会議室は広くて男子の人数は少ない。 視線の先には僕とエチゴしかいない。 判ってる、校長先生は僕に言ってるんだよな、名前は出さないけど。


「 今まで練習はしてこなかったのかい? 」


「 人前で自分の事を話すのは苦手なんだよ 」


頭を抱える僕をエチゴは笑ってる。 母さんに頼んで、エチゴの日記に毎日ポイント-1を送ってもらおう。


誤字、脱字、読後の感想お待ちしています。

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