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僕の日課もしくは学習方針

剣と魔法とダンジョンと宇宙船の話を、書きたくなったんで書いてみた作品です。 序盤は地球の日本の話で、長いプロローグと背景説明が続きます。


母さんを見送ったら僕の日課が始まる。 ストレッチをしてからランニングに出発。 ボルトシティー中央にある大きな池のある公園、その中の30kmコースを30分掛けてユックリ1周する。


木漏れ日と風が気持ちいい。 ここは人気のあるランニングコースだから、色んなエルフが走ってる。 あっと言う間に追い抜かれるけど気にしない。 僕の目的は心肺機能向上でも、身体強化魔法の訓練でもないから。


母さんとアイの方針で、僕は筋肉を効果的に使うためのコントロールを練習してる。 最低限の筋力と持久力で、より長く戦えるための練習だ。 それに、今どき魔法の訓練なんて誰もやらないと思う。 走るのに必要な筋肉を意識してそれ以外は力を抜く。 


手を振れば足も動くなんて迷信もあるみたいだけど、僕は信じてない。 2足歩行ロボットを作ったことがあるからだ。 バランスをとるのに腕の位置は重要だけど、それ以外じゃ腕を動かす分のエネルギーがもったいないだけだ。



「 おはよう。 いつも通りだね 」


「 お前もな 」


ランニングが終わったらコースの休憩所で一休み、ここには何時もエチゴ君が待ってる。 彼は国で1、2を争ってる大きい商会の長男で、今年で100歳。 僕と同期生になる予定だ。  


「 ほい 」


「 サンキュ 」


エチゴが投げた水を受け取って、木製のベンチに座る。 最初に来たときは、本当に木製なのにビックリした。 木製だと定期的なメンテナンスが必要だし、時々トゲが刺さる。 何かもっと別の素材にすればいいのに。


「 後1週間だね 」 


「 だな 」


水の代金は彼の奢りだ、10クレジットだから僕にも十分払えるけど。 エチゴに言わせると、『 これは君に対する先行投資だから 』 だそうだ。 そういう事らしいんで、毎朝ありがたく頂いてる。 僕的にも彼の投資が成功することを祈ってる、いや本気で祈ってる。


エチゴも僕と同じでステータスはオールEだ。 でもナンバーボードじゃ彼は遥か上にいる、エルフ族の中でも大きな商会の長男だからだろうな。 ステータスに関係なく彼はいつも上位にいる、クレジットも力だってことだよ。 


「 今年の新入生の男子は15人らしいよ 」


「 15人か、それで今年は6クラスになるのか 」


彼は情報収集が上手い、仕事柄っていうか彼の実家が商会だからかな。 情報はあっちこっちから入ってくるらしい。


「 そうなるだろうね。 クラス分けの連絡は受け取ったかい? 」


「 受け取ったよ、6組だってさ 」


「 僕も同じだ 」


学校のクラス分けは、ナンバーボードの順位じゃなくてステータスで決められてる。 同じくらいのエルフを集めて、教育の効率を上げるためだって。 つまり僕とエチゴは最下位のステータスってことだ。

クラス分けの時、男子は2人以上にする決まりがある。 昔は男子1人だけのクラスもあったらしいんだけど、色々大変なことが分かったらしい。


でだ、クラスはできるだけ多くすることになってる。 でも、学校には1学年の部屋が6部屋しかないから、2人が6クラスと3人が1クラスで7クラスって訳にはいかない。


「 でもこれは仮の通知だからね、今度の神樹式で変わる可能性もあるそうだよ 」


「 それはそれで嫌だな 」


話題は神樹式と入学式が中心だった、どんなスキルが貰えるのかワクワクもするし不安でもある。 アイから連絡が入る、そろそろ時間だって。


公園を出たらエチゴと別れて家に帰る。 彼と一緒にいると女子の視線を感じるんだよ、ただし女子が見てるのはエチゴだけ。


ナンバーボードは、女子からの人気とリンクしてるって噂だ。 男子の数が少なくて女子の数が多い、将来結婚するなら、今から優秀な男子に目を付けとく事なんだろうな。 つまり、彼女たちの目には僕は透き通ってるってことだ。


エチゴは良いやつだ、それは分かってる。 女子も悪気がある訳じゃないだろう、と思う。 でも、僕が良い気分にはなれないのも確かだ。


--------------------


家に帰ってシャワーを浴びたら教育ポッドに入る。 国から支給される、勉強するためのポッドだ。 寝てるだけで知識が頭に入る優れもの。


脳に情報を書き込むには情報を微細な脳内信号に、脳の中を流れる微細な電流のことな、それに変換してから脳細胞に流せばいい。 でも、記憶領域には限界があるし、エルフ一人一人で覚えられる情報量の限界が違う。


記憶容量以上に書込んでも、情報が上書きされるだけ。 上書きされると前の記憶はなくなるし、記憶の電流が2重に流れるから発熱量が増える。


普通に書き込んでも電流を流した細胞はジュール熱で発熱するのに、無理に書き込んだら脳が焼ける。 脳が焼けたらあまり嬉しくない状態になる。 自分からやってみたいってヤツはいないだろうね。


その辺の研究は充分行われてるし、リミッターもあるから事故でもない限り安全だ。 って聞いてる。 僕は頭の中を勝手にイジラレてるみたいで、あまり好きじゃない。



『 カミハ様、お疲れ様でした。 午前の学習スケジュールは終了です 』


ポッドのハッチが開いたんで、僕はユックリ起き上がる。 


「 う~。 ボーっとする、これは何回やっても慣れないね 」


『 そのまま、メディカルポッドにお入り下さい 』


「 わかった 」


フラフラしながら隣のポッドに入る、次はメディカルスキャンだ。 教育ポッドで学んだら、メディカルポッドで状態を確認する。


万が一に備えるためと、脳内温度を下げるためだ。 大昔は本や教科書を読んだり、ノートに書いたりして勉強していたんだってさ、効率悪そう。 それに比べれば楽だと思う。


『 スキャン開始します。 脳内温度低下中、正常値まで残り2.7℃、異常無し。 腰部を集中スキャンします、異常無し・・・ 』


ホームロイドのアイがスキャンを開始した。 今朝の腰の違和感も、忘れずにチェックしてくれてる。


教育ポッドとメディカルポッドは、男子がいる家には国から支給される。 メディカルポッドは、内蔵系の病気も治せるフルメディカルタイプだ。 女子は、最寄りの教育センターに行けば教育ポッドを使える。 数回使えば必要な知識は手に入るから、それで十分なんだけど。


母さんとアイの方針で、僕は毎日少しづつ教育を受けてる。 午前中の戦術と戦略の勉強は終わった。 お昼ごはんを食べたらまた教育ポッドに入る、午後は科学と技術と工作の勉強だ。


ポッドで技術を学んだら、今度は実技の時間になる。 ポッドで学んだ内容で実際に色んな物を作ってみる。 機器だったり兵器だったり、とにかく色々作る。 シャトルやジャンプ機関も作れるけど、材料費が掛かるし使い道が無いんで作らない。


僕のステータスにはムラがないから、オールEだけど1つのことしか出来ないって事じゃないし、何も出来ないって訳でもない。 専門家よりもヘタってだけだ。


だから、戦闘と工作の両方の才能を伸ばすんだって、母さんが説明してくれた。 つまり教育の時間が2倍になる訳で、つまり遊ぶ時間がなくなる訳で。


分かってる、今銀河は危機にさらされてる。 それは分かってる、でも少しは遊びたいだけどな。

誤字、脱字、読後の感想お待ちしています。

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