1-4
「ところで優奈は何処の大学を受けるんだ?」
お母さんに言われ大人しくなり同じテーブルについたお父さんが話しを振ってきた
「えっとねK大が本命で
あとは外の県の大学を何個か」
「K大ってお前頭悪いな」
「別に普通です!!
翔兄と涼兄が頭よすぎるんだよ!!」
兄2人は日本でもトップ3に入る大学に通っています
さすが西園寺家の跡取りですね
「あらでも第一志望のK大はC判定だったのよね?」
「うっ」
「C判定とは際どいな
相当頑張って勉強しないとな」
「そっそのために帰ってきたんだもん!!
そっそれに落ちてもいいし
他の志望校はA判定だったし…」
「K大は仲の良い友達も受けるのよね?
落ちたら離れちゃうわよ?」
「う~頑張る…」
この夏は勉強三昧です
「うんうん頑張る事はいいことだぞ
でも無理をしては行けないぞ
勉強の息抜きにお父さんと遊ぶといいぞ」
「それはどうかな
でもまあK大以外に行くとなったら引っ越ししないとダメだから
頑張って受からないとな」
「何!?他の県に引っ越すだと!?
優奈何が何でもK大に絶対合格しなさい!!」
「さっきと言ってること違うよお父さん」
「だってもっと優奈が遠くなっちゃうじゃないか~
今だって何処に住んでるか教えてもらえないのに~」
実は私が住んでいる場所はお父さんだけ教えていません
もし私の事を溺愛する過保護なお父さんが知っていたら色々と大変な事になるでしょう
しかし知らないと言ってもお父さんの権力なら直ぐに割り出せます
でも何故2年も経って知らないのかと言うとお母さんが止めているからです
お父さんに関わる全ての人に私の情報を渡さないようにと命令したのです
普通ならお母さんよりお父さんの方が権力が上なのでお父さんの命令で皆は動くのですが
私のお母さんは普段命令を全くしません
寧ろそれ以外の命令はしたことが有りません
よって皆さんはただ事ではないと言うことで口を開かないのです
ちなみにお父さんは私の連絡先も知りません
教えたら毎日の様にしつこく来るに決まっているからです
「そうだ!!家庭教師に来てもらってはどうだ!?
翔と涼に付けていた家庭教師だ!!」
「嫌だよ
何のために公立の学校行ったと思ってるの?」
小学校の頃お母さんたちが再婚してこの家に引越してきた
その引越しと同時に私は公立の小学校から
お金持ちばかりが通うとある私立の小学校に転校した
そこで卒業するまで過ごしたが一般市民上がりも私にはとても辛い環境だった
勉強に人間関係住む世界が違い過ぎた
普通に過ごしたいそう思った
だから私は中学から公立に行かせてもらい高校も公立を受けた
勉強も兄2人は頭のいい家庭教師をつけていたけど私は1人で勉強した
家に居ると使用人さんたちや色んな人が助けてくれて全く不自由しない
でもなんだか全て頼るのが嫌だった
だから一人暮らしをしているんだ
「でも~」
「あなた」
「うっ…」
お母さんの笑顔に言葉を詰まらせるお父さん
「ふふふっ
でもそうね優奈が家庭教師雇って欲しいって言うならいいわよ」
「要らない大丈夫!!」
「C判定」
「うっ」
「バカだから無理だろうな」
「うっ」
2人の兄の言葉が私の胸に突き刺さる
「…英語だけお願いします」
英語はどれだけ勉強しても赤点スレスレなのです
「では直ぐに手配しよう」
「あっでも翔兄や涼兄の家庭教師みたいに凄い人じゃなくていいからね!!」
私なんかのためにどこかの凄い先生を連れて来られても困る
だからそこは念を入れてお願いする
「う~ん難しいこと言うな優奈は
田中どうにかできるか?」
「そうですね
英語だけでよろしいのでしたら拓篤などはどうでしょうか」
「あらいいんじゃないかしら」
「ああ拓篤なら俺らと同じ大学だし頭いいよな」
「それに学科も外国語学部」
「うむ拓篤なら信頼できるな」
「えっ拓篤さん?」
皆が連発する名前に私は全くピンと来なくて頭を傾げる
「拓篤、優奈お嬢様にご挨拶を」
「はい」
田中さんがそう言うと壁際に並んでる数人の使用人さんの中から
背が高くスラっとした若い執事さんが返事をして傍へやってくる
「4月から西園寺家に支えさせていただいています
田中拓篤と申します」
「あっ初めまして西園寺優奈です!!
よろしくおねがいします!!」
挨拶し深々と頭を下げる拓篤さんに私は見とれてしまった
とても綺麗な動きだった
それにモデルさんでもやってそうなほど整った顔に目が離せなかった
それにハッと気づき私も慌てて自己紹介をして頭を下げる
すると何故かニコッと笑顔を向けられた
「?」
「あら優奈
拓篤くんとは初めましてじゃないはずよ?
高校の頃も家で働いていたものね」
「ええ!?あの…ごめんなさい!!」
「相変わらず人の顔覚えるの苦手だな優奈は」
「だから英語もできねえんだよ」
「本当にごめんなさい…」
「いえ滅相もございません
私はあの頃は今以上に未熟者でしたので優奈お嬢様にお仕えすることができませんでした
なので顔を覚えられなくて当然で御座います」
「それでもごめんなさい…」
涼兄の言う通り私は人の顔と名前を覚えるのが苦手です
と言うか物を覚えることが苦手なのです
「では拓篤を優奈お嬢様の英語の家庭教師として使えさせましょう
それに他の科目もサポートできるように拓篤を優奈お嬢様専属に致しましょう」
「ああいいだろう
優奈をよろしく頼むぞ拓篤」
「畏まりました全力を尽くさせて頂きます」
「拓篤さんよろしくお願いします!!」
「はいこちらこそよろしくお願い致します」




