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庶民から執事へ  作者: パー子
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1-3

「美味しい~幸せ~」

私は久しぶりに我が家のご飯を食べていた

これまた幸せな気分

だってこのご飯有名レストランで修行したシェフ(山根さん)が作ってるんですよ

美味しいに決まってるじゃないですか



「本当に美味しいわね山根さんのお料理

それに毎日食べても飽きないものね」

パートから帰って一緒に晩ご飯を取るお母さん

この感じもまた久しぶり



「そこまで喜んで頂けると料理長も大喜びでしょう」


「また料理教えてもらおう!!」



ダダダダダダダ



晩ご飯を食べていると廊下を早歩きするような音が聞こえてくる



バンッ

「優奈!!」

足音が食堂の前で止まると勢い良く扉は開かれ

入ってきた人物に私は名前を呼ばれる



「お帰りお父さん」


「ただいまゆ~な~

会いたかったよゆ~な~」

慌ただしく入ってきて私を見て泣き崩れたのが

この大きな屋敷の主で私のお父さんの西園寺源次郎です



「あらあら」


「何も泣かなくても」


「あー鬱陶しいな大の大人が泣くなよな」


「だって3ヶ月と27日ぶりなんだぞ~

父さん寂しくって死んじゃうかと思ったよ~」

このフニャフニャしながら言う私のお父さん源次郎

普段はビシっとしてます

これでも社長ですから

でも私の事になるとどうもダメです



「ごめんねGW帰って来なくて

でも今年の夏休みは終わるまでは家に居るからね」


「おお本当か!?

よし!!じゃあ今年の夏休みは何処か海外にでも旅行に行こう!!」


「あっ私は受験勉強するから行けないよ」

そう私は高校3年生ですから受験生です

その受験勉強に専念するために家事をしなくていい実家に帰ってきたのです




「なんだってー!?」


「そのために帰ってきたんだから」


「嫌だ嫌だみんなで旅行行くんだー!!」

子どものように我儘を言うお父さん

しかも私達子どもの前で



「仕事はどうすんだよ父さん?」


「そんなもの乾の奴にスケジュールどうにかさせるに決まってるだろ!!

乾!!できるな!!」


「畏まりました今直ぐスケジュール作成致します」

当たり前のかのように言い放ち

後ろに付いている秘書の乾さんに命令をするお父さんにため息が出る



「父さんは相変わらず秘書使い荒いね」


「馬鹿者!!せっかく優奈が帰ってきたのに仕事なんてやってられるか!!」


「お父さん!!乾さんに迷惑かけちゃダメ!!

それにお父さんが我儘言って休んだら他の社員さん達皆が困るでしょ!!」


「でっでも~

久しぶりに優奈と会えてお父さん嬉しいんだもん~

だから優奈と夏休みエンジョイしたい~」

私が怒るとお父さんはさっきの威勢をなくしてしまう

しかし諦めが付かず抵抗してくる



「あなた」


「鈴音!!鈴音からも言ってくれ!!」

さっきまで楽しそうな笑顔でその光景を見ていたお母さんが口を開いた

そしてお父さんはお母さんに助け舟を頼む



「ダメよあ・な・た?」


「うっ…はい…」

ニコッと笑うお母さん

それに渋々従うお父さん

お父さんはお母さんの笑顔に弱いのです

私が一人暮らしを溺愛してくる過保護のお父さんから許してもらったのも

お母さんのこの笑顔のお陰です

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