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短編とかその他

愛と食と拒絶反応

作者: リィズ・ブランディシュカ



 かきむしる。

 どこが?

 一部分を、じゃない。

 全部だ。


 一つになってしまったのに。


 もう戻れないのに。


 今さら、こんな事実を知るなんて。


 ああ、かゆいかゆい。

 体がかゆい。

 心もかゆい。

 手も足も腹も腕も。

 何から何までかゆい。


 僕は全身をかきむしった。


 きっとアレルギーなんだ。


 えっと、過剰に免疫が反応とか、異物を排除しようとしているとか?


 それ的なあれだろう。


 だからこんなにも何から何までかゆいんだろうな。


 もうとっくに吸収されてしまったのに、何もない胃から吐き出したくなる。




 僕はつい数時間前に口にしたそれを、何よりも愛おしかったそれを眺めがら、ゴミ袋に詰めた。


 先につめていた髪の毛の中に、乱暴にそれらを放り投げていく。


 彼女の事は誰よりも愛しているから永遠に一緒になろうと思ったのに、まさか本性があんなにも醜悪だったなんて。


 口にした時は、この体も心も全て生まれ変わっていくかのようだったのに。


 花柄のハンドバックから零れ落ちた携帯に目を向けた。


 誰に愛の言葉をささやいてるんだよ。


 ああ、これもゴミ袋に入れなくちゃな。



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