君には何が見える?
辛いことがあった時,悲しいことがあった時,この「セカイ」に飽きたときに読んでもらいたいです。また,これが僕にとってのデビュー作なので,何か意見やアドバイスがあった場合は教えていただけるとありがたいです。
A=暁
B=悠徒
もう嫌だ。 もう飽きた。すべてが嫌になるようだ。大切なこと,大事なことは何もうまくいかない。状況も意味が解らない,やりたいことは海の向こう,僕の一生いけないであろう所にしかない。僕は趣味に対してどんな犠牲だって払える。そんなことはあの誓いだけで十分だ。だが僕は寿命まで削る気はない。そんな堂々巡りを繰り返しているうちに,僕は棘の檻に閉じ込められた。次何をしていいかわからない。僕に何ができるかもわからない。何をどうすればいいのかわからない。わからないという言葉だけが僕を苦しめる。わからない。これが無駄だとわかっていても,わからない。
2050年 9月21日(水)
今日は僕の誕生日だった。と言っても,それはたぶん一時間くらい前に終わっている。多分,今僕は夢を見ている。と言っても,いつまでも見る,普通な夢だ。いつも僕は走っている。朝日を見るために走ってる。家の近くにある丘まで走っている,太陽が昇る前に。そしてその丘の一番いい場所にたどり着くころには,僕はもう,見ていたのだ。何を見ていたのかは知らないが,すごいものが見えていたんだと思う。それがなんだかは知らない。いつもわからない。だが,これはつけなのだと思う。ずっと家に引きこもっている僕への付けなんだと思う。と言っても,学校はもうデジタルにしかないから,外を出る意味も実はない。ほしいものだって ネットで頼めばいい。飾りものだってバーチャルでいい。友達だって本物の家に呼ぶ必要性は皆無だ。「スロアハウス」で十分だ。ちょコット家を出ればそこには「コンマ(コンパクトマートの略)」が顔を出す。そうしているうちに,外がどんなだったか,もう忘れた。多分みんなそ うだろう。今更外 に 出たっ て,」
A「ティヤー」
B「て,ぅわ!」
目をあけると,床に僕は転がっていた。どうやら僕は,掛け布団を無理やりはがされた反動で床に転げ落ちている状況らしい。相変わらず「アイツ」はどっか抜けている。
B「おい,何する暁!」
A「まあまあ,もう朝だよユー君。ちゃんと生きてる?」
やっぱ「アイツ」はいつもと同じ,なんていうか天然と言えばいいか雑と言えばいいか。まあ楽しいけど,
B「そりゃ生きてるよ! 心配するぐらいなら起こすときもっと優しく起こしてよ!」
A「別にいいじゃない!ヘルモンなんてないわけだし。WW」
B「結構痛いよ。床ドン,何なら試してみる?」
A「楽しそうだけど遠慮しとくよ。やるなら後にして。」
何だろう,こんな当たり前の日常が尊く感じる。そういえば,最近はテスト勉強なんかで時間もなかったし, なんていうのは建前だ。あいつと住んでいて,暁の才能に対して妬んでいる節があるんだと思う。あ,まだ説明してなかったな!「暁」っていうのは本名「影宮 暁」僕の義理の兄だ。つってもほんの一年前,僕の親が事故にあうまではただの友達だった。あいつが家来いって言ってくれなかったら僕はどこに行っていたかわからない。その頃も友達とは言っても暁はもう学校卒業してるし,親からの遺伝で砂糖が食えないからどっかカフェ行ったとしてもあいつはいつもコーヒーしか頼んでなかったし,一緒にご飯食べる時もアイツの家だったし,親はほとんどいないような人だったから影宮に行ってもそこまで生活は変わらなかったし,みんな気を使ってくれたから簡単に溶け込めた。まあこっちの親が本当の親みたいなもんだったし,でも, あの話はやめよう。僕だって思い出したくない。あいつのが思い出したくないことを僕が考えたり言うのはなんか違うと思う。まぁいろいろあってアイツには今穴がぽっかり空いている。そんなこともあってあいつかなり辛いと思う。寂しがりだし,構って君だし,アイツ嘘つけないふりしてるし,でも,彼のやっているコンピューター関係の仕事は,わからない僕から見ても「カッコイイ」,「凄い」と思える。だからってわけじゃない。アイツとは兄弟という関係だ。だからこそ,成績は高く維持して,みんなに威嚇するという目的で勉強している。変な噂建てられたくないし,彼に教えてもらった「時短式即日習得法」を活用してから本当に簡単にいろんなことが覚えられるようになったし,その影響でテストでも前よりいい点が取れるようになった。集中力も分散していたあのころと比べて一点に集中するのが楽になっていろいろなことをやる時間ができた。っつってもすぐになんかできるわけじゃないけどね。まあ,これから僕は頑張っていきたいと思う。それに,アイツが教えてくれるお話やラナンやらは
B「そういえば,まだ空は暗いみたいだけどどうして?」
A「まあ,日付変更線は越えてるから大丈夫だよ!」
B「はぁ,厳密に今何時?」
A「0時56分 まあそれくらいの情報で大丈夫?」
B「ありがとう。でもそんな時間に僕を起こさないで!」
A「はいはい,わかりゃんせー」
B「WWそれどういう意味だよ。」
いま,笑いながらも怒ってるのが,僕の親友,「巣噛 悠徒」だ。一応,僕が死にそうな時に助けてもらった命の恩人,かな?まああいつはそんなこと思ってないだろうけど。5年前に知り合った中で,一応同い年。まあ学校に行ってない僕と比べて,親からの期待度なら上だと思う。だって成績いいんだもん~なんだって負けるよ~一応僕が義理の兄で,あいつが弟。まあ気にしてないけど。戸籍上の家族ってったって,ここに来たのが1年前だけど,関係性はな~にも変わってない。でもあいつはかなりびっくりしたと思う。何てったって,僕は散らかし魔だからね~,そういう意味では,あいつの寿命はかなり縮まってると思う。まあでも,僕はあいつといるために努力したいと思ってる。あんだけどん底にいた僕に手を差し伸べてくれたのが本当に,うれしかった。親も誰も気にしてなかった,いや,今思えば,たぶん急なことで混乱していたんだろう。そんな時に俺はこつんと小突かれた。びりっと電撃が走ったような気がした。
B「先生,質問です。」
A「はい,なんでしょう,」
B「何の要件があってこんな時間に起こした?俺、チョー眠いんだけど」
A「実は,なんと,僕のゲームが完成しましたっ,」
B「オーすごいねー,それなら朝でもいいんじゃない?おばさんたちにも見せたほうがいいし,」
A「今回は試験運用も兼ねてるからちょっとそれは難しいかな, それに母さんをあんまり前に出したくはない。めんどくさいことになりそうだから。」
B「まあそういうんだったら早く済ませちゃお。 どこにあんの?」
A「あ~,僕の部屋。そういえば最近は入れてなかったね~」
B「そういえばそうだったね。でもたくさん危険なものが置いてあるんじゃなかったっけ?」
A「こうなると予想はできてたから前もって隠してあります! だからクローゼットは空けないでね!」
そんな風に会話しながら僕たちは廊下の突き当りまで歩いていき,彼の仕事場がある「2階」まで案内された
B「おー,これが新作ですか~。なかなかかっこいいですな~」
A「そうだろ~。従来のヘルメット式を改め,今度はコンパクトにイアホン式だ。まあこれだとひと手間増えるけど,一目見るだけじゃただ単に寝ているように見えるという利点がある。」
B「なるなる。確かに「VW」の中に入ってるかどうかを窓から確認して侵入する泥棒が増えたってニュースになってたねー」
A「まぁそんなとこ。ほんでどうする~?潜ってみる~?」
B「まぁここまで来て引き返す人もおらんだろ。俺は潜るどー!」
A「まぁそうだろうとは思ってたよ。いつもとUIが違うから気を付けてね!」
B「オーライ!ちなみにこれってどうやって接続すればいいの?」
A「両耳にこのイアホンを入れて,スイッチを入れれば完成だよー」
そういわれて,言われたとおりにそのイアホンを入れて,スイッチを右手に持ち,その隣にあったベッドに寝転んだ。
B「OK,なんか緊張するー」
A「これで良し。ゲームへの接続,完了!」
B「それじゃあ思い切って!」
そう口にした瞬間に僕はスイッチを押した。それは,瞬きする瞬間も僕に与えず,僕の意識を彼の世界の中へ引き込んだ。それはものすごく美しい,まるで彼が見せてくれた真っ青なラピスラズリのような空にダイアモンドのように美しい満月が見えた。そこには,大きな四角が何個も連なっており,その一つには「Proto-10295」と書かれていることが分かった。後,この光景はたぶん,彼が良く遊んでいたレトロゲームの画面を基にしたものだと思う。彼はそのゲーム機が好きで,現在のゲームにも触れるが彼はそっちのゲームのほうにお金をかける傾向があった。今じゃもう30年前なのに,彼のは焼けた跡もないので,ぼくはそういうのを「昔のまま」というんだと思えた。話が脱線してしまったが,僕はさっき言った「Proto-10295」に入ってみた。入った瞬間,体が空から落ちているような感覚に見舞われた。今自分は高速度で落下しており,下には建物らしきものが見える。多分あれは教会だ。空から見てきれいな十字架になっている。とはいえ,このままでは激突してしまう。どうするのが一番か,その問いに答えなどなかった。今中に浮かされて,パラシュートもなければ刀もない。この状況じゃせめて打ちどころを買えるぐらいしか僕にはできない。その結論に至った僕は,なるべく体をひねって,頭を体の内側にかがむようにしようとしたその時!僕は教会らしき建物の中で,2,3メートルぐらいのところから落ちて石畳の上に激突していた。
お話はまだまだこれから!というところで終わっていますが,更新には時間がかかると思います。なので,もしも時間があるのであれば,何かこの小説を読んで思ったことを書いてもらえると嬉しいです!