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左遷されたようだ

そこには、ただただ広大な荒野が広がっていた。

火事でもあったのか、所々に焼け跡が残っている。

つい先程前まで、世界一の軍事力を誇った国がここにあったと言われても、誰一人として信じ無いであろう。

(やっベー、り過ぎた・・・)

そんな中、剣を腰にたずさえた青年が、そんな事を思い浮かべたのだった・・・


*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*


(ふぅ、成功したっぽいな。)

前世の俺、天崎 空は、地球から召喚された勇者の一人だった。

だが、強力なステータスやスキルに恵まれたクラスメイト達と違い、俺には一般人程度の力しかなく、召喚された一ヶ月後、俺は城から追放された。

(まぁ、表向きはな・・・)

《魔法戦士》、それが俺の真の能力だ。《魔法剣士》《魔法槍士》《魔法拳士》などの複合職で、武器と魔法の両方を駆使して戦う、《勇者》や《賢者》などの職業よりも強力な職業、それが《魔法戦士》である。

にも関わらず、なぜ追放されたかというと、ただ単にめんどくさかったからである。

こちとら筋金入りのぼっちだ。生憎あいにくと、集団行動は大の苦手である。

そのため、【隠蔽】のスキルでステータスを偽造し、わざと弱く振る舞っていると、俺はめでたく無能の烙印らくいんを押され、追放されたのである。

その後、俺は冒険者として金を稼ぎ、気が付けば、世界最強とまで呼ばれるようになった。

そんなある日、俺の所に暗殺者が送られてきた。

もちろん返り討ちにしたが、そいつらの記憶を回収してみると、なんとイグレシア王国(今更だがここが俺を召喚した国である)から送られたことがわかり、売られた喧嘩を買った結果、わずか10分程で国を滅ぼしてしまった。

さすがに気まずくなった俺は、【転生魔法】を使用し、未来へと逃げることにしたのだった。

さて、あらためて自己紹介といこう。

ソル・ブレドルク、それが俺の今世の名だ。アルシア王国騎士団第3番隊の隊長、ラドル・ブレドルクの第三男であり、【転生魔法】によって、前世の力と記憶を持っている。

―――――(よし、今世こそは平穏に生きよう)―――――


*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*


「皆、落ち着いて聞いてくれ」

俺が10歳になって間もないある日、茶色い髪を短く切った40程の男である父、ラドルが、一家全員を呼び出し、そう告げた。

「どうしたの、父さん?」

長男であるレグルが尋ねる。

「実はこのたび、今までの功績が評価され、領地をたまわることになった」

「っ!、本当ですか!?」

ふむ、確か、領地を賜ることは、騎士としてかなり誇り高きことだと本で読んだ気がするのだが、父の顔はどこか暗い。

「それにしては、あまり喜ばしそうには見えませんが」

次男のラギアが、ちょうど俺が思っていたことを代弁してくれた。

「・・・あぁ、表向きには報酬とされているが、実をいうと、今回のコレは左遷だ・・・」

「「「なっ!? 」」」

コレには俺も驚いた。父、ラドルはかなり真面目な性格である、とても左遷の対象にされるとは思えない。

「なぜ、父上がそんな目にあわなけばならなければいけないのですか!?」

「そっ、そうだよ!」

「・・・恐らくは、俺をのことをよく思わない貴族達の仕業だろう。元々は平民だったからな」

成る程な・・・、確かに、この国において、騎士はそこそこの地位にいる。騎士団の隊長ともなれば、その地位は、中堅どころの貴族と同等である。

貴族達からすれば、その地位に平民出の者がいるのは気に入らないのだろう。

「何はともあれ、コレは既に決まってしまったことだ。全員、荷物をまとめておくように」

そう言って、ラドルは部屋から出ていった。

(おいおい、大丈夫か今世・・・)


どうも醤油さしです。これから頑張っていくので。応援よろしくお願いします。

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