第一王子の心境
ローレンス王子sideです!
私はローレンス・ファン・アーマレン。
アーマレン王国の第一王子である。
物心ついた頃から第一王子としてそれに相応しい立ち振る舞いを強要されてきた。
幸い頭の回転は早い方なので勉強も剣術も魔術もそれなりにこなせている。
しかし、私は1つ教えられれば全てを理解する王子。等と言われ大人からするとあまり出来すぎていて可愛げがないらしい。
可愛いといえば、2つ下の弟のルークは金髪 翡翠瞳で見目麗しく、周囲に笑顔を振りまいているためか天使のようだと持て囃されているらしい。
金髪の弟の隣に並ぶと黒髪の私は対の存在に見えるらしい。天使のような弟と反対、悪魔のような私という事らしい。
別段周りを陥れるようなことをした覚えはないのだが。強いて言えば他国のスパイで王宮に潜り込んでいた見目だけはやたらと美しいと評判だったメイドの素性を暴き、衛兵に引き渡した事だろうか?それとも国庫から金を掠め取っていた内務省の古狸を様々な証拠で追い込み退職させた事だろうか?
いずれもしたことに後悔は無いし、今後王になる際には必要なことだ。
私が王になるまでにこの王宮の腐敗した古狸どもを纏めて追い出し、新しい優秀な人材を取り入れる必要がある。
今はまだその序章だ。
日々、将来私と敵対するであろう第二王子強硬派、第一王子排斥派を探し出し、証拠を掴み、確実に地盤を固めていた。
7歳になったある日、母から「貴方の婚約者候補のご令嬢の誕生日パーティーがあるの。一緒にいらっしゃい。」
と言われた。結婚も、王子となれば国のためのもの。つまり、私の婚約者候補はおそらくこの国にとって有益な縁のある家の令嬢なのだろう。
「どの家のご令嬢ですか?」
目星はついている。恐らくフォレスター公爵家の長女か。彼女以外の婚約者候補とは既に王宮で面会したことがあるからね。
「フォレスター公爵家のご令嬢。セシリア嬢よ」
やはりな。宰相と隣国の元第二皇女の娘で四属性持ち。となれば王家以外に彼女が嫁ぐのは王家としては見過ごせない。それだけ大きな力がある家だからね。
「分かりました。いつでしょうか?」
「明日よ。此方は出向く方ですから、大きな準備はないでしょう。プレゼントは私が用意しましたから貴方は自分の見た目だけ整えておきなさい。ちゃんとセシリア嬢の心を掴むのよ!」
「ええ。微力ながら健闘しますね。」