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転入生


新しく登場する人物です!〜簡単な紹介〜


ゲオルグ[校長]2m超の熊みたい 見た目だけ怖い

マルガレータ[教頭]ナイスバディ 子供好き

カリーナ[1年1組担任]ハッキリした性格

オールド[1年2組担任]オドオドした性格




 試験を受けた翌日の朝食後にわざわざパトリック様が合格通知を持ってきてくれた


「おめでとう。2人とも合格したらしいね。早速だけど今日から転入生として入学するかい?それとも明日からにする?」


 え?転入生って、普通合格通知がきて、しばらくしてから通えるようになる感じなのかと思ってたけど……すぐ通えるんだ……?



「もう通えるんですか?行けるなら行きたいですけど……ちょっとお母様に聞いてきます!」






「姉さん。今僕が聞いてきたよ。僕たちの好きにしていいっていってた」



「じゃあ決まりだね。2人の制服も届いてるから早速これに着替えてきて」



「え?サイズとかは……」



「事前に君達のサイズは確認済みだよ。昨日のうちにね」



 ……い、いつのまに?!お母様に聞いたのかな……?





 ♦︎♢♢



「なぁ、本当に通わせるのかい?いくら”あの”指輪を身につけているからといっても……」



「ええ。ダメならばすぐに辞めさせれば良いだけのことです。……今はさしずめ予行演習のようなものですから。元々あの指輪をセシリアにプレゼントしたのはこうして好きなように外の世界を見せてあげたかったからですもの」



 誕生日プレゼントとしてセシリアに渡した指輪は魔法石で出来ており、守護の魔法と軽量化の魔法がかけてある


 本当は嫁入り前に母から子に受け継がれて行くものだけれど……


 セシリアはまだ子供で、悪意を受けたことがほとんどないから……あの誕生日会の日でもかなり人選は絞った方だったけれど人酔いしてしまったみたいだし……


 いつまでも守ってあげたいのは山々だけれど、悪意の無い箱庭の我が家から出て他の子達との交流を持つのならば守りと手立てが必要……その為にあの指輪を……そして、シオンを付けたのだから



 指輪に魔力を込めれば、闇属性の特性でもある悪意を読み取る能力や、半径5メートル以内の破壊級の魔法にも耐えられるけれど、物理的な攻撃や咄嗟の危険には対応できない



 だから、もしもの時の為に、セシリアにもシオンにも私が持てる最強の教育を受けさせた


「うーんでもやっぱり心配だよ……それに、シオンもいくらしっかりしてるとはいえ6歳だし、セシリアも7歳だし、平民だといっていじめられたらきっと傷ついて泣いてしまうんじゃないか……?あぁ……心配だ……」



「全く……私が持てる最強の教育を施したといったでしょう?伊達に元魔導師兼第二王女だったわけではありませんわよ?」



「うむ……」



「それに、あの子達の顔を見て平民だと思う馬鹿などいないのではなくて?」



「え?でも平民枠ではいるのだろう?」



「パトリック様の推薦で、しかも飛び級で?シオンもセシリアも上流階級の洗練された動きを完璧にしてますし、大方国王の隠し子だとでも言う風に噂されるでしょう」




「はーなるほど……!流石ルリアーヌ!」



「それくらいも読み取れないようなバカは相手にしないようにシオンにも言い含めておきましたし、何かあれば同じ学園のパトリック様が対応してくださるでしょ」



「そうかそうか!それなら……でも国王の隠し子疑惑ってやばいんじゃないのか?」




「公に出るわけないでしょ。単なる噂よ。それとなく学園に流してもらったから」




 ふふっ。昔の級友に学園の教師になった子がいたからそれとなーく国王に関係のある子が平民枠で入学するってことを伝えたのよね。まあ、あながち嘘ではないしね。実際孫だし



 さて、はじめての学園にセシリアは馴染めるかしら?まあもし万が一にあの子に手を出すバカがいたらお父様にお願いしてお仕置きしてもらいましょう♪




 ♦︎♢♦︎





 早速パトリック様が持ってきてくださった制服に着替えた私たちは、パトリック様と一緒に学園に行くことになり、同じ馬車に乗せてもらうことになった




「何から何までありがとうございます。……あの、次からは学園へは自分で行きますから大丈夫です。この国の王子と一緒に登校してくる平民の子供なんて意味不明ですし。学園近くで降ろしてください。人目がないところで」



「えええっ?なに言ってるの?みんな馬車できてるから大丈夫だよ。目立ってない目立ってない。それに今回は俺の紹介で学園入学が決まったってことになってるから一緒に通っても問題ないよ」



 心から遠慮してるのに、畳み掛けるように丸めこもうとするパトリック様



「でも……せっかく平民枠で入れたのに……」




「姉さん……平民枠ではあるけど飛び級な時点でもう目立ってるから意味ないと思うよ」



 シオンまで真顔で意味ない発言!


「ええええ〜!せっかくの友達作り作戦がぁ……」



「友達を作りたいならそれこそ平民枠じゃない方が良かったんじゃないのかい?ほとんどの子が貴族だから平民と仲良くする子は稀だよ」



「いいんです!平民だからと馬鹿にするような人とは友達になれませんもの。私は上辺だけじゃなくて本当に仲良くなりたい子とだけ友達になりたいので!」



 とか強がってるけど本当はちょっとだけ怖い


 転生してからこの世界に慣れて、考え方まで見た目に引っ張られて幼くなってるからかなぁ……?昔はこんなこと怖くなかったのに……



「へぇ……シオン君しか同世代の友達がいないって聞いてたから人見知りな子かと思ったけど、結構自我が強いんだね」




「む……友達くらいいますよ!シオンと、ローレンスとか……あとは……いないか……で、でもこれからいっぱい作る予定なので!」



「姉さん……」


「セシリア……」



 シオンもパトリック様も生暖かい目で見るのはやめて!!すごくいたたまれないから!そうね!たしかに今まで勉強するか魔法を使うかぐらいしかしてなくてお茶会は断ってきたから友達皆無ですとも!ええ!そうです!




 そんなこんなで話をしているうちに、学園近くに到着した




「僕も出待ちのお嬢さん方と出くわしたくないし、近くで止めてもらったよ。この路地を右に曲がってすぐが学園だから一緒に行こうか。職員室まで案内しよう」



「あ、じゃあおねがいします」



 正直、学園の間取りは全くわからないのでお願いしたいところ。3階建ての校舎の威圧感がすごい。なんて言うか、前世で言うヨーロッパ辺りのガチの王族が通うような立派な学園って感じ。まあ実際に王族通ってるんだけどねぇ……



 馬車から降りて学園の校門に向かうと、門の前に兵が3人居てパトリック様に話しかけてきた



「おはようございます!殿下!」



「ご苦労さま……あ、この子達は僕の知り合いで今日から転入することになったんだ。」



「セシリアと申します。本日からどうぞよろしくおねがいします」



「シオンです。よろしくおねがいします」



 平民だからカテーシーは無しらしい。さっきパトリック様にきいたから平民対応はバッチリなはず!でも転入生だから敬語はしっかりとね!第一印象って大事だと思うの



「「「こちらこそ!よろしくおねがいします」」」



 凄い丁寧な対応された!めっちゃ声揃ってる……仲いいんだな




 校門をくぐると、他の学園生らしき人たちがこちらをチラチラと見て何か話している



 特には誰か話しかけてくることはなく、順調に職員室までパトリック様に案内してもらった



 めちゃくちゃどうでもいいけど、学校っていうよりもやっぱり学園って感じですね。所々にたかそうな絵とか飾ってあるし……わたしのニホン的なイメージでは伝えきれないけどとりあえず、横開きの扉はこの世界にはないらしい




 扉の前で待っていると、中から筋肉質でおっきい熊みたいなおじさんとナイスバディーなお姉さんが出てきた


「はじめまして。セシリアさんとシオン君かしら?わたしは教頭のマルガレータよ。で、後ろにいるのが校長のゲオルグ。まだあなた達のクラスを決めてないんだけど、ちょっとだけ相談があってね」



「はい。何でしょうか?」


 グイグイ寄って話しかけてくるマルガレータさんのけしからんお胸の谷間が見えないようにシオンの前に立って隠す。ほら、うちの天使にはまだこういうの早いんで。やめて下さい




「姉弟だとクラスが別になっちゃうのよね。でもあなた達は飛び級だし、周りが年上ばかりだと戸惑っちゃうかと思って。」



「他に私達と同じような子達は居ないんですか?」




「今期はいないのよね。でも、いたとしても11歳の飛び級とかだからね?10歳以下の子はなかなかいないわよぉ〜」



「そうなんですか……」



「そこでね?あなた達の学年は3クラスあるんだけど、表向きは他人として入ってくれないかしら?」



「「……」」


 そうかぁ……たしかに同じ家の子を同じクラスに入れるわけにはいかないよねぇ。でもそれって隠してもいいのかな?




「バレませんかね?そんなお粗末な案を教頭が考えるとは思いませんでしたねぇ。」



 ぱ、パトリック様が辛辣ぅ……



「でもでも、かわいそうじゃないー!?こんな小さい子達をあの馬鹿どもの中に入れたらどうなるかわかったもんじゃないわよぉ〜」




「そんなの、2人して小さいんだから一緒に入れても意味なくなるでしょう。じゃあこういうのはどうです?僕の学年の僕のクラスに入れるということで。そしたら僕が責任を持って守れますし」



 ちょっと待てー!!!本末転倒!!!




「大丈夫です!私たち別のクラスでもいいです!あとパトリック様は学年が全然違うので却下です!」



「ええぇ〜良い案だと思ったんだけどなぁ」



 いやいやいや、マジで学園に来た意味なくなるのでやめてください!!!


「あ、でもシオンは1人だと危ない……?」



「僕は大丈夫ですよ。そこらの軟弱なご子息に負けるわけないじゃないですか」



「まぁ…………うん」



 たしかに、シオンの武術スキルは最近特に急成長していると思う。火の魔法はもちろん体術も大人顔負けの強さだ




「じゃあ決まりー!私たちは別クラスで、1学年におねがいします!」





「……ふっ……」





 あ、めっちゃ仏頂面だった校長が笑っている!笑ってるときはあんまり怖くないね!






「マルガレータ。その2人ならきっと大丈夫だろう。なんせ俺を見ても全く動じた様子がないからな。本当に7歳と6歳の子供だとは思えんほどに落ち着きがあるようだし……そろそろホームルームが始まるから担任に案内させよう」



 やっと話に入ってきたゲオルグ校長!


 でかっ!2メートル超えてるね絶対!でも別に怖い感じはしない。なんていうか、全然似てないけどお父様みたいに優しい感じがする




 職員室の中に戻っていった2人の代わりに、オドオドした男の先生と気難しそうな女の先生が出てきた



「1組担当のカリーナよ。セシリアさんは1組所属になったから。今日から必死で勉強に励みなさい。」



「に、2組担当のオールドです……シオンさんは2組所属になってしまったそうなので、宜しくお願いします……ね」



 随分と個性的な先生ばっかりだなぁ〜



「「よろしくお願いします!!」」



 ♦︎♢♢



 その後、各クラスに案内されて、ホームルーム前に自己紹介することになった



 ……心の準備をさせてください……

読んでくださってありがとうございます!


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