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学園に入ることになりましたよ

セシリア7歳 銀髪 紫瞳

シオン6歳 金髪 碧瞳

パトリック16歳 紫髪 金瞳



更新遅くなりまして申し訳無いです



 お母様の弟で私の叔父にあたるパトリック様に案内され、謁見の間にやって来た


 中に入ると数人の騎士と部屋の中央にパトリック様と同じく紫色の髪の凛々しい顔をしたおじさんが此方を見て満面の笑みで迎えてくれた




「おお!!!!よく帰ってきた!待ちわびたぞ!!!」



「ただいま帰りました。お久しぶりです、お父様」



「ご無沙汰しております、国王陛下」




 父と母の挨拶に続き、慌てて私とシオンも挨拶をしようとすると陛下が椅子から立ち上がってこちらにやってきた



「よいよい、ここは久し振りの席ではないか、おお、そこにおるのはわしの孫娘かの?さ、わしに顔を見せておくれ」



「はじめまして、セシリア・フォレスターと申します。この度は急な入国を認めて下さりありがとうございます」



「ほっほっほ、ルリアーヌに似て可愛らしい娘だの。なに、望むならいつまでもこの国にいて良いぞ。その男は帰って良いがな」



「はっはっは、冗談でございますよね?では、後ほどまた外交の件で参りますので、そろそろ退出いたします。お忙しい中ありがとうございました」



「なーに、仕事など優秀な息子と部下に殆ど任せておるから大丈夫だ。それよりもわしは娘と孫娘との積もる話があるからな。他の者は退出して良いぞ」



「おお、そうですか……しかし、まだ入国したばかりで色々と準備もありますし……なぁ?ルリアーヌ」



「お父様、後でゆっくりお話ししましょ?」




「ふむ……では後で必ず顔を見せておくれ。セシリアもな」



「ええ、後でまた」



 父と陛下はやはりあまり仲が良くないようだ。母様が何とか場を納めてくれたおかげで、諍いなく謁見の間から出ることになった



「はー、やはりあの方はいつまで経っても苦手だなぁ……」



「あなた。ムキになって返さないの。しばらくここでお世話になるのですから喧嘩はしないでちょうだいね?」



「ああ。相変わらずルリアーヌは陛下に溺愛されているな……きっと今でも俺のこと。恨んでいるんだろう」



「何言ってるの?最終的に私達の結婚を認めてくれたのはお父様なのよ?お父様はちゃんとあなたのことを認めてくれてるわよ。あれは、お父様の身内に対したちょっとした意地悪よ」



「ふむ……そうなのか……?」



 お父様とお母様が先程の陛下の話をしていると、 いつのまにかパトリック様が私の横に立っていた



「随分と早かったね?」



「!いつのまに……おられたのですか?」



「あぁ、さっきから近くにいたんだよ?ちょっと父上に僕がサボっているのがバレたらヤバイから隠れてたんた」



「サボっている……とは?」



「ん?ほら、僕は16歳だから今は学園の4年生なんだ。この国の貴族は12〜18歳までは教育を受ける義務があるんだ。運が良ければ一握りの平民にも学園で教育を受ける機会があってね。出世するチャンスもある」



「へえぇ、そうなんですね。私ではまだ入ることはできないでしょうか?」



「ん?そういえばセシリアは何歳なんだい?」



「私は7歳で、シオンは6歳ですわ。」



「へぇ、確かに小さいもんな。歳の割にしっかりしてるからもう少し年上かと思ったよ」



「ほんとですか?じゃあ、学園に連れて行ってくれませんか?」




「え?学園に?特に面白いものもないと思うけど……行ってみたいなら父上に聞いてみようか?一応、第二王女の娘だといえば学園には行けると思うけど……」



「えっと、出来れば身分は隠して行ってみたいんです!」



「んー、父上に相談しないとなると……一応、平民枠では年齢問わず、成績優秀者を受け入れる特待生制度があるけど……」



「それ受けてみたいです!」


「えっ……本気?一応言っとくけど、平民枠の特待制度はかなり厳しいらしいよ?俺の学年は約100人前後いるうちの5人くらいしか特待生は居ないし……」



「お願いします!4ヶ月ここに滞在させてもらうことになったので、この国のことを是非知りたいんです!」



「姉さん……平民枠で入学したらどうやってここまで来るのさ?4ヶ月しか通えないんじゃない?」




「大丈夫よ!転移門で通うから!学園は、何年間通ったら卒業できるんですか?」



「ん……?えっと……貴族は12歳から18歳の6年間って決められているけれど、卒業試験さえ合格すれば平民なら3年間での卒業も可能だよ。卒業しなくても通ったという実績だけで働く場所が増えるって平民はこぞって入学を目指してるらしいけどな」



「シオン、私、12歳の入学まで待てる気がしないからせっかくだしこの国の学園に入学するわ!お母様もお父様もいいでしょう?私、学園に行ってみたいわ」



「えええっ……!ダメだよ!セシリア!平民枠で通ってもしこの国の貴族に目をつけられたら……」



「そうだよ!姉さん、平民枠で通うってことは、貴族に平民として見られるってことだよ。確実に嫌がらせを受ける。そんなところにわざわざ行く必要はないよ」



 お父様もシオンも興奮気味に否を唱えた


  それに反してお母様とパトリック様は笑顔で肯定してくれた



「え、いいんじゃない?特待生として少し通ってみればいいじゃない。4ヶ月だけでも。大丈夫。セシリアならいじめなんかに負けないわよねぇ?」



「あぁ、もしも受かることができたなら責任を持って授業外の時間は俺がセシリアを護ろう。俺の可愛い姪っ子だからね」




「じゃあ、とりあえず試験を受けて、受かったら滞在期間中は学園に通うって方向で!」



「ええ、セシリアちゃんならきっとすぐ合格しちゃうわね。」


「うーん心配だなぁ……」



「姉さんが通うなら僕も通う!!」



「あははっ……通う前提かい……6歳児と7歳児が受かれるようなレベルじゃないと思うけど……じゃあ試験、受けてみる?」



「「受けます!」」



 トントン拍子で話が進み、学園に戻ったパトリック様の紹介で、後日に平民枠で特待生制度の編入試験を受けさせてもらえることになった




 ♦︎♢♦︎


 試験当日


 大きな3階建ての王宮のような外観をした学園に案内され、特別に試験を受けさせてもらえることになった




「はぁ……パトリック様の推薦でとても優秀な方だとお聞きしていたが……まさかこんなに小さな子達だとはな。君たち何歳だい?」



「7歳です。リアと言います」



「6歳。シオンです」



「あっはっは、冗談だろ?……まあ、一応試験だけでも受けて行きたまえ。分からなくなって無理そうなら途中でやめてもいいからね。将来また懲りずに挑戦しにおいで」




「宜しくお願いします!」


「……」




 試験の内容は、前世の小学校高学年レベルの科学の問題ばかりで、難なく解くことができた。


 結果として、私もシオンも30分もしないうちに全ての枠を埋めることができた



「ん?もう終わったのかな?書けるところは書いたかい?」



「はい!書けたと思います」



「終わりました」



「ふむ、じゃあちょっと見せてもらおうかな……ん……?全部埋めれたの……?!」



 試験監督をしてくれていた教師が、驚いたように私達を見比べる



「一応は……ケアレスミスはあるかもしれませんけど、……」



「姉さんだけ受かって学園で孤立するなんてことがあったら大変だからね。僕は絶対間違えはないと思いますよ」




「ちょ、ちょっと待っててね、あ、明日迄に採点して結果を伝えるから……また明日学園に来てもらっていいかな?」




「はい!今日はありがとうございました!」



「……ありがとうございました」




 2人で試験監督の教師に挨拶をして、学園から出てしばらく歩いた位置に留まっている馬車に乗り込む



「ふふっ、シオンはどう?全部かけた?」



「ええ、一応。というか結構簡単でしたよね?間違えるとこなんてありましたか?」



「んー?一応全部埋めれたけど、ケアレスミスがある可能性はあるかなぁ?満点じゃなくても受かるよね?」



「ええ、基準は知りませんけど九割がたあっていれば受かるのでは……?」



「だよね?あー今からドキドキする……!明日の結果が楽しみね!」



「ええ……多分……確実に合格してますよ」




 ♦︎♢♦︎



「パトリック様!!!」




「ん?何ですか?オードリー教頭」



「あの、あの2人は何者ですか!?編入試験……2人とも満点で、あまつさえ、こちらの問題ミスを指摘されているところまであって……!しかもあの丁寧な喋り方は確実にどこかの貴族のご令嬢とご子息でしょう!?」



「あぁ……。まあ、俺の姪とその義弟だ。でも年齢を考慮して平民の特待生枠で入学したいと言ってきた。その願いを聞いてやっただけだよ」



「はぁぁぁぁ?!パトリック様の姪……ってことは第二王女さまの娘さまぁ!?!?なんて子をつれてきてるんですかぁぁ!!」




「賢いだろ?しかもあれで4属性持ちらしいんだ。俺は魔法はからっきしだから今度見せてもらうのが楽しみだなぁ」




「……こ、校長に話を聞いてきます……」




 真っ青な顔をして部屋を出て言った





 あれから姉に聞いた話では、姉の出産までの4ヶ月程はこの国に滞在することになるらしい



 セシリアもその義弟のシオンも7歳と6歳だとは思えないほどに優秀だ


 その上、セシリアは4属性、シオンも2属性持ちとくればこの国でも引く手数多だろう



「アーマレン王国には勿体ないよね」



 声に出すと、より一層強くそう思った



 これからのことを考え、囲い込みのために俺は足早に城に向かうことにした




 ♢♦︎♦︎


「父上、少しお話があります」



「おお、パトリックか。わしもちょうどお前に用があったのだ。」



 人払いをし、執務室には父と俺のみになった





「少し提案があってな、わしは孫娘の顔が4ヶ月後には見られなくなると思うととてもとても耐えられん。だから、この国内滞在中にお前にセシリアをこの国に留まるよう説得して欲しいのだ」



「ええ、実は俺も折角の魔法師の才能がある2人を手放すのは惜しいと思ってまして。今は学園に興味があるようで、今日は早速編入試験を受けていました。……あの歳で2人とも文句無し満点だったらしいです」



「ほぉ……わしの孫は可愛らしいだけでなく賢いのだな。ますます帰したくないな」



「そこで提案なのですが、俺の婚約者にしてしまえば良いかと。幸い俺は婚約者候補は居ますがまだ正式な決定はして居ませんし。」



「そうか……その手があったか!よし、では4ヶ月の間にセシリアを婚約者にして見せよ!」



「はい。必ずや」



 そして俺は、部屋を辞したその足で明日からの予定を伝えるためにセシリア達がいる客間に向けて歩いていった

読んでいただきありがとうございました!


誤字脱字あれば随時受け付けております!


感想、評価していただけると嬉しいです!


ではまた近いうちに!

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