ワーマン王国
ワーマン王国編!
4ヶ月滞在します。
ここでワーマン王国の王子と知り合う予定です
お母様とお父様にワーマン王国に小旅行に行きたいと言うと、あっさり了承をもらえた。
「懐かしいわねー。セシリアが3歳の時に帰郷したきりだから四年も前になるのね。早速、明日手紙を出しておくわ。すぐ返事が来ると思う。」
「結婚してからは中々気軽に行けなくなったからな。主に私が嫌われているから…な。はは……ほんとにワーマン王国にいくか?何か惹かれるものでもあったのか?ほら、お取り寄せとかできるぞ?」
懐かしそうにワーマン王国の話をしてくれるお母様に対し、何故かお母様の親族(つまり王族)に苦手意識を持っているらしいお父様。
「えっと、もし無理なら良いんですけど、お祖母様とお爺様にあってみたいので……。あと、医療面で進んでいるとお聞きしたので。お母様には少しでも良い環境で…過ごしてもらえたらなーと」
父方の祖父も祖母も若くして亡くなっているため、母方の祖父と祖母に会うのは結構楽しみだったりする。でもワーマン王国の王様と王妃様ってことだからちょっぴり不安はある。
「そうよね!私もお父様とお母様に久しぶりに会いたいわ。あなた。仕事が忙しくて無理なら私、セシリアとシオンと3人でワーマン王国に行って来るわ。」
「まてまてまて、そんなこと言ってないだろう?勿論、私も一緒に行くよ!外交の仕事もいくつかあったし、でも、どれくらいの期間あっちにいるつもりなんだい?」
「そうねぇ、旅行なら手短に済ませて1週間くらいが良いと思ったのだけれど、ワーマン王国なら私の実家ですからね。居ようと思えばどれだけでも。」
「待ってくれ!流石にそれは…な?とりあえず王に外交大使としてワーマン王国行きの仕事を取り付けて来るから、ちょっと待っておくれ?な?」
というわけで、お母様に押され気味になり、ワーマン王国行きは決定した。
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一週間後
お母様の元に、ワーマン王国国王様(お爺様)から是非とも帰ってこい。どれだけでも滞在していい。孫にもお母様にも会えるのが楽しみだという旨の手紙が来たらしい。
そしてお父様もしっかり王様から外交大使としての仕事と長期滞在の許可をもらってきたらしい。
その期間なんと4ヶ月。
え、むしろそんな長くて大丈夫なの?って思ったけど
重要な会議があるときは城から城への転移門で行き来するから問題ないらしい。
本来、転移門を使うときは出国用パスポートとかなりの魔力、又はお金が必要ならしい。
転移門とは言っても形状が門な訳ではなく、円形の魔法陣の中に入り、魔力を流し込んで転移の魔術を発動させることで移動する代物だ。
一回の転移に必要な魔力は荷物量によって違うらしく、大人1人で50,000、子供では25,000程度。
因みに、宮廷魔導師1人の魔力量が約100,000で、
1往復できるかどうからしい。
お父様、お母様も魔力持ちでかなり優秀な部類に入る為、2往復できるらしい。
私は5歳の時の測定時で100,000程度あったらしいから1往復は出来る。
シオンも去年の測定時では70,000程度あったという。
魔力量は体の成長とともに増えていくもので、魔力持ちの貴族でも5歳時点では10,000程度が標準らしい
て、よく考えたら私もシオンもすごい魔力量多いんだなぁ。
まぁ、シオンは攻略対象だし、私も悪役令嬢だからかなぁ?
転移門使用時にはお金がいるけれど今回はお父様の長期出張という名目なので無料らしい。
転移門は王城の謁見の間の隣の部屋にあり、手続きを行えば有料で誰でも使える。移動時に魔力がない人には魔法省の人が魔力を込めて送ってくれるらしいが、勿論有料。
国の大事や緊急性がないと使わないらしいが、今回はお母様が身重で、相手のワーマン王国からは大手を振って許可をもらったらしい。
ちなみに今回、ワーマン王国へはメイドさんも執事も連れて行かないらしい。どうやらお母様の実家に滞在できることになったようで、実家にもたくさんのメイドがいるから不要とのことだ。
私、人見知り激しいから知らないメイドさんとちゃんと話せるか心配なんだけど?まあお母様の実家なら大丈夫よね?
そして、約束の期日、私達一家は王城の転移門にて手続きを行った。
半径5メートルほどの大きな魔法陣の中に立ち、言われたとおりに陣に向かって魔力を込めると辺りが眩しい光に包まれて、10秒ほどしてそっと目を開けると、私達は知らない人達に囲まれていた。
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「「「「ようこそ!ワーマン王国へ!!」」」
ざっと見て20人ほどの騎士らしき格好をした人たちが私達を取り囲み、…じゃなくて歓迎の挨拶をしてくれたようだ。剣と科学の王国と言われているだけあるなぁ。
ちなみにアーマレン王国もワーマン王国も国土は同じくらいの大きさだが、少し文化が違う。
アーマレン王国では魔法と伝統が尊ばれ
ワーマン王国では科学と革新的な考えが尊ばれる
一見対立しそうな2つの国だが、代々王族や公爵家同士での国同士の権力者の結婚のおかげで結びつきは強固になっている。
何気にお母様のお祖母様。つまり私のひいお祖母様はアーマレン王国の公爵家の娘だったらしい。
純粋なワーマン王国の国民には魔力持ちは存在しないらしく、アーマレン王国でも貴重な魔法師はワーマン王国では20人もいないらしい。
その中でもお母様は先祖返り?というものでかなり魔法の才能があり、自国での結婚が決まっていたらしいが、それを一目惚れしたお父様が猛アタックしてアーマレン王国に攫っていったらしい
うん。そりゃ恨まれるよなーって
ワーマン王国に来る前に知っておいたほうがいいだろうとお母様に色々聞いたが、どうやらこの国の国王、お爺様はお父様のことを目の敵にしているらしい。
大事な愛娘、しかも国内最有力の魔法師でもあったお母様を掻っ攫っていったということもあり、結婚前はかなりもめたそうだ。
毎月の手紙も実はお爺様とお祖母様から2人別々で送られてくるらしい。
本当は一週間に一回来ているらしいが、
「めんどくさいもの」
と言って、三通たまったらやっと返信しているというお母様のお話を聞いて少し同情したけれど。
ま、それは置いといて、この状況よ。
おそらくワーマン王国の城の部屋の一室だろう。
かなり広い部屋…小ホール?くらいはあるが、流石に人がこんなにいるとは思ってなかったのでどうしたのものかと思っていると、お母様が満面の笑みで答えた。
「ただ今帰りました。」
王子は次か次の次の話で出します




