232話 お休みなさい!!
「ふふん! どうですか?
僕にも、ちゃんとした用事があるのですよ!!」
これで、誰にも文句は言わせません!
だって、アフィリス達に会いに行けるのは僕だけですからね。
「「……」」
「んんぅ?」
おかしい。
正論を言って、ちょっと胸を張っただけなのに、2人の視線が冷たい気が……
「承知致しました。
事後処理は我々にお任せ下さい」
「うんうん、任せましたよ?」
ふっ、どうにかなった様ですね。
やはり、幾らイヴァル王と言えど、この僕とやり合うには早かったと言う訳です!!
まだまだですね、イヴァル王よ……
「あっ、そうだ。
忘れてたんですけど、この人を捕まえました!」
パチンと、指を鳴らすワンクッションで転移魔法を発動して……
「また、一体どんな輩を……」
ドサッ
拘束された状態で地面に投げ出された人物を見て、イヴァル王が唖然と目を見開く。
「こんな輩です。
まぁ見ての通り残念廃嫡王子ですけど、ちょっとヤンチャをしていたみたいでして」
「ルーミエル様……縁を切ったとは言え、実の父親を前に凄い言い草ですね」
「だって、別にもう怒ってはいませんが。
ノアとシアに言った事を許した訳じゃありませんからね!」
それに、本人は謝罪すらしてませんし。
残念廃嫡王子が誠心誠意を込めて2人に謝罪するまでは、絶対に許しません!!
「まぁ、話を戻しますが。
どうやら魔教団に入って、僕達に復讐しようとしていた様です」
「なっ!! それは本当ですかっ!?」
「事実です。
とは言え、彼自身は魔教団の実験には参加していませんし……」
僕の事を睨み付けてくる残念廃嫡王子と、緊張した様子で固唾を飲むイヴァル王。
ふむ……後日、ストレスに効く増毛剤でも送ってあげましょう。
「ちょっと、面白い事になっているので、根性を叩き直してやろうかなと思っています。
具体的にはアレックさんや十剣の皆んなの訓練に参加してしごいて貰おうかなと」
「それは……」
「あっ、安心して下さい。
どうやら僕達に復讐する為に、魔王の欠片や闇の魔力に手を出した様でして。
性格や根性は捻じ曲がったクズですけど、それなりに強いと思いますよ?」
あれ? おかしいな。
フォローしたハズなのに、イヴァル王だけで無く、アレックさんに十剣の皆んな。
ウェスル帝でもが頬を痙攣らせてますね……どうしたのでしょうか?
も、もしかして、何かまずい事でも言っちゃったんでしょうか?
うぅ……何で、誰も何も言ってくれないんですかっ!!
「フォッホッホ、御安心なさって下さい。
この若造は儂が責任を持って、性根を叩き直して見せましょうぞ!」
「おぉ! グラウス爺!!」
「ふふふ、皆さん驚いているだけですよ。
まぁ、こんなに涙を浮かべて」
頼もしいグラウス爺に感動していると、いつの間にか僕を抱っこしていたメルヴィーに目元を優しく拭われる。
「べ、別に泣いてませんよ?」
「ふふふ、そうですね」
むむぅ〜、なんかちょっと釈然としませんが、まぁ良いでしょう。
「とは言え、まぁどうするかはイヴァル王に一任します。
もし、イヴァル王が反対するのなら、記憶と力を消し去ってから解放しますけど……」
「ルーミエル様……この様な者の為に温情を掛けていただき、感謝致します。
どうか、このバカを一から叩き直して頂きたい」
「ふむ、良いでしょう!
では、彼の身柄はネルウァクス帝国預かりとします。
廃嫡されているので、フェーニルに戻す訳にはいきません。
それは了承して下さい」
「はい、承知しております」
「では、彼の教育方針は皆んなに一任します。
任せましたよ!」
「「「「「はっ!!」」」」」
うん、これで問題無いですね。
残念廃嫡王子も、皆んなにしごかれて世の中の厳しさを知ってくれる事でしょう。
「では、僕は疲れたので、とりあえず寝させてもらいます〜」
「……ルーミエル様」
「はっ!? な、ななな、何でも無いですよ?
ただ、今日はもう遅いし。
世界創造とかもやったから、ちょっと疲れたなぁと……」
うぅ……皆んなの視線が怖い!
メルヴィーに抱きついておきましょう!!
「はぁ、承知致しました。
こちらの事は我々が致しますので、ゆっくりとお休みください」
「えっ? イヴァル王!!」
ふふふ、今日は皆んなと一緒にモフモフ、フワフワに包まれて寝てやります!!
「また今度、ストレスにも効く育毛剤をプレゼントしてあげますね!」
「はい……え? 今何とっ!」
「じゃあ皆んな、お休みなさい!!」
転移する直前、イヴァル王が何やら言ってた様な気がしますけど……
まぁ、大事な事ならコレールに連絡が来ますし、気にしない事にしましょう!!
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