表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/376

129話 フェンリル可愛い!!

 3体のフェンリルは凛々しい顔つきでディベルを睨み付け……尻尾は激しく左右に揺れています。

 それはもう、勢い余ってディベルを殺してしまいかねない程に。


「フェンリルさん達、別に遊んでもいいですけど、殺すのはダメですよ」


 一応、そう忠告すると驚いた様に僕を見つめ、そしてしゅんと耳を垂らすフェンリル達。

 何これ、フェンリル可愛いっ!?


「うぅ…そんな顔をしてもダメです」


 この破壊の誘惑に耐えるとは……自分で自分を褒めてあげたいです!!

 でも、そんなにも露骨に落ち込まれると罪悪感が凄いです。

 ま、まぁ、ちょっとだけなら別にオーケーですよね?


  「でも、ちょっと痛めつけるだけなら……そうですね、手足の一本や二本程度なら良いですよ」


 すると、フェンリル達は耳をピッーンと突き立てて勢いよく顔を上げ。

 反対にディベルはギョッとした表情に。


 でも自業自得です。

 ディベル達、魔教団では実験体の手足の切断なんて当たり前。

 そして、そんな状態の吸血鬼に薬を盛り、狩と称して惨殺する。

 慈悲なんてものは存在しません。


「じゃあ、鬼は30秒後にスタートという事で。

 よーい、スタートっ!」






 てな感じで、鬼ごっこが始まった訳ですが。


「くっ! 私を守りなさいっ、デモンスライムっ!!」


 ディベルの周囲に大量に召喚された巨大スライム。

 先程言っていた様に、大量の素材を持ち歩いていたみたいですが……


 べちゃっ!!


 無造作に放たれたフェンリルの一撃によって数匹がまとめて消し飛びました。


 ディベルを中心に、彼を一周ぐるっと守る様に配置しているデモンスライム。

 そして、そんなスライムごとディベルを3方向から包囲するフェンリル達。


「まぁ、やっぱりこうなりますよね。

 分かってました」


 何せ、この世界には背後にある世界樹以外は何も無い。

 そんな広いだけの荒野において、ファルリルの足から逃げ果せるはずも無く。

 フェンリル達がスタートして数秒後には既に包囲されるという事態に……


 鬼ごっこが始まって約10分。

 フェンリル達はジワジワとディベルを追い詰めて遊んでいる様ですけど。


「あっ」


 そろそろ、フェンリル達も飽きて来たみたいですね。

 デモンスライムを潰す速度が急速に上がりました。

 それでも、僕が殺すのはダメと言ったからか、勢い余ってディベルを殺してしまわない様に、細心の注意を払っている様子ですけど。


「く、来るなぁっ!!」


 ついに、最後の1匹のデモンスライムが吹き飛ばされ。

 腰を抜かして尻餅をつきながらそう叫ぶ、ディベルを勿論無視してフェンリル達がその腕を振り上げ……


「はいっ、ストップ!」


 転移で双方の間に割って入ると、ピタッとフェンリル達が空中でその腕を止めました。

 なんか、お手してるみたいですね!


「はい、3体ともこっちに集合して下さい

 残念ながら時間切れです。

 たった今、コレールから連絡がありました」


 そう告げると、再びシュンとしてしまうフェンリル達。


「そんな悲しそうな顔をしないで下さい。

 後でご褒美をあげるから、先に本部へと行ってください。

 あっ、本部の人達に攻撃したらダメですよ?」


 ご褒美と言う言葉を聞いてか、一気に嬉しそうな顔になり、尻尾をブンブンと振り出す3体。

 モフリたい。

 今すぐ、モフモフしたいっ!!


 ですが、今は我慢の時です。

 3体を転移で見送り、後ろを振り向くと、まだ媒介を持っていた様で、数匹のデモンスライムが召喚されていました。


「まぁ、また召喚しているのは気づいていましたけど。

 そろそろ、そのスライムも見飽きました」


 デモンスライム達に向かって手をかざし、デモンスライム達のみを指定。

 神能〝殲滅ノ神〟を発動させる。


 すると、一瞬にして蠢いていた数匹のデモンスライムが消滅した。

 光や音すら発する事なく、ただスライム達だけが綺麗に消え去った。


「は…?」


「さて、行くとしましょうか?」


 唖然とするディベルの返事を待つ事なく、転移魔法を発動させる。

 移動先は世界樹……八大迷宮が一角、大地の試練の入り口すぐの場所にある巨大なエントランス。


 視界は一瞬で切り替わり。


「ぐはっ!」


 翼を広げて空中に留まる僕の眼下では、強制転移によって地面に投げ出されたディベルには目もくれず。

 何故かみんなが僕の事をジッと見上げていました。


『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、

 ブックマーク登録及び、下記の評価ボタンを押して頂けますと嬉しいです!


また、感想やレビューなどドシドシご意見下さい!


これからもよろしくお願いします!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ